焚き火の消し方|水を一気にかけてはいけない理由と、熾火・灰の正しい処理

焚き火の消し方|水を一気にかけてはいけない理由と、熾火・灰の正しい処理

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焚き火を楽しんだあと、バケツの水を勢いよくぶっかけて終わり——それ、実はおすすめできない消し方だ。「水をかけるな」とよく言われるが、水そのものがダメというより「一気に」かけることが問題になる。この記事では、なぜ一気かけがNGなのか、燃やし切って灰にする基本の消し方、急ぐときの火消し壺や水の使い方、そして灰の正しい処理まで、行政・専門メディアの情報を整理して順番に説明する。

目次

なぜ「水をかけるな」と言われるのか──やけど・炭の飛び散り・焚き火台の変形

結論から言うと、今回あたった情報源を合わせると、一気に大量の水をかけてはいけない理由は3つ挙がっている。高温の水蒸気によるやけど、炭がはねたり舞い上がったりすること、そして焚き火台の変形だ。3つともを挙げているのはwaq-onlineの後始末解説で、齋藤木材工業の「森の中」はこのうちやけどと変形の2点を挙げている。

高温の水蒸気が立ち上がり、火傷の恐れがあります

ひとつはやけどのリスクだ。燃えている薪や炭に水がかかると、急激に水蒸気が発生する。しゃがんで薪を覗き込んでいるときに顔の高さで蒸気が立ち上がれば、火の粉より厄介なことになる。waq-onlineも「森の中」も、水を一気にかけるのを避ける理由としてやけどを挙げている。

2つ目は炭が飛ぶことだ。waq-onlineは、熱い炭に一気に水をかけると、炭がはねたり舞い上がったりすることもあると注意している。

3つ目は焚き火台そのものへのダメージだ。waq-onlineは、急な温度変化で焚き火台が変形することもあると、伝聞ではなく言い切りの形で書いている。BE-PALも、焚き火台に水をかけて温度を急に変えると変形する可能性があるとしている。「森の中」だけは、変形する可能性があると言われている、という伝聞の形で書いている。

つまり、水を使うこと自体がNGなのではなく、熱いうちにまとめて浴びせる使い方が危ない、というのがここでの整理だ。

基本の消し方:燃やし切って灰にする(時間の目安)

「森の中」が最も理想的な終わらせ方として挙げているのは、薪を燃やし切って灰にすることだ。waq-onlineも、少し時間がかかっても最後まで燃やし切るのが安全で確実だとしている。新しい薪の投入をやめれば、あとは炎が落ち着き、熾火になり、やがて灰になっていく。

「森の中」では、灰になるまでの時間の目安として約2時間を挙げ(薪の種類や焚き火台の構造、その日の天候で変わる、という断りつき)、撤収の2時間前には薪の投入を終えるよう勧めている。夜21時に片付けたいなら19時には新しい薪をくべるのをやめる、という逆算の仕方だ。焦って追加の薪をくべ続けると、当然その分だけ鎮火も遅れる。

この方法のいいところは、水も火消し壺も要らないことと、「森の中」が理由に挙げているとおり、完全に燃えて灰になった薪は、それ以上燃えないことだ。急ぐ理由がないキャンプの最終日の朝などは、まずこの方法を軸に時間を組み立てるのがいい。

急ぐときの消し方:火消し壺と、水を使う場合の正しい手順

とはいえ、翌朝早くに撤収する、雨が近いなど、2時間も自然鎮火を待てない場面はある。ここでは、火消し壺を使う方法と、水を使う方法を紹介する。

火消し壺で酸素を断つ

ひとつは火消し壺を使う方法。「森の中」は、燃やし切れずに火がすぐ消えないときの方法として、火消し壺に薪を入れて密封するやり方を挙げ、短時間で消せるとしている。ふたを閉じて酸素の供給を断てば、水を一滴も使わずに消火できる。BE-PALは、火消し壺に入れた炭は次回また使えるとも書いている。

ただし、燃えている薪を入れた火消し壺そのものが非常に熱くなる。「森の中」は、うかつに触るとやけどの原因になるので、素手で触ったり子どもを近づけたりしないよう注意を促している。BE-PALも、火消し壺は冷めるまで高温のままなので注意が必要だとしている。

水を使うなら「少しずつ」「少ない本数ずつ」

火消し壺が無く、水で消すしかない場合は、一気にかけない手順を踏む。waq-onlineの手順では、まず薪や炭を火ばさみで広げて燃え残りを減らし、炭を細かく砕いて表面積を増やしたうえで、熱が冷めたら水を少しずつ全体にかけていくという段取りを紹介している。BE-PALでは、最終手段として薪を1本ずつ水に入れて消火し、芯まで消火できているかを必ず確認するやり方が挙げられている。

共通しているのは、「まとめて一気に」ではなく「少しずつ」という点だ。薪を水に浸けるやり方の本数は、BE-PALが1本ずつ、「森の中」が1〜2本ずつとしている。「森の中」は、水に浸けた薪は湯気が出なくなるまで浸し続けるようにとも書いている。表面だけさっと浸けても、薪の芯にはまだ熱が残っているから、というのがその理由だ。

灰・炭の処理──地面に埋めてはいけない理由

消えたあとの灰や炭も、その場に埋めて済ませるのはNGとされている。「森の中」では、炭には土壌を改善する効能があるとも言われる一方、キャンパーがそれぞれ土に埋めてしまうと積み重なって過剰になり、かえって環境に負荷がかかると説明している。waq-onlineも地面に埋めるのはNGとしていて、理由は3つ挙げている。くすぶっている炭を埋めれば、後になって再び燃え出す危険もゼロではないこと。炭は自然に還りにくく、長く土の中に残ること。そして、穴を掘ること自体が、景観を損ねたりキャンプ場のルールに反したりすることだ。

正しい処理は、キャンプ場に灰・炭捨て場があれば完全に冷めた灰だけをそこに捨てること。waq-onlineは、プラスチックや燃え残りの薪、ゴミは絶対に混ぜないこと、排水できない捨て場もあるので水気をよく切ってから捨てることを挙げている。捨て場が無ければ、フタ付きの耐熱容器に入れるか、火が消えた炭をアルミホイルで包み、持ち帰って自治体のごみルールに従って処分する。BE-PALも、灰捨て場が無いときに袋へ入れて持ち帰るのは、火が完全に消えて冷めているのを確かめてからとしている。

消えたことの確認と、法律・ルールの背景

後始末の最後にやるべきは、火が完全に消えたことの確認だ。岡山市(南消防署)は「たき火のときは必ず消火の準備をすること」「たき火後は、完全に消火すること」を呼びかけている。「森の中」も、後始末が不十分だと火災の危険があるとして、火が確実に消えたかの確認は必ず行うよう書き、不安なときは炭を割って中を確かめる方法を勧めている。waq-onlineは、手を近づけても熱気を感じなくなれば消火完了としている。

また、そもそもどこでも自由に焚き火をしてよいわけではない。環境省は「国立公園の利用上のマナー」のページで、植生の破壊や野生動物を引き寄せること、山火事を防ぐために、決められた場所の外ではキャンプもたき火もしないよう求めている。このページは、こうしたルールについて、場所によっては法律で規制されているとも添えている。キャンプ場の外など、決められた場所以外での焚き火は、後始末以前の問題として避けるべきだ。焚き火ができない場所での過ごし方は、こちらの記事も参考にしてほしい。

まとめ

  • 水を一気にかけてはいけない理由は、高温の水蒸気によるやけど、炭がはねたり舞い上がったりすること、焚き火台が急な温度変化で変形することの3つ
  • 基本は、新しい薪を止めて燃やし切り、灰にすること。自然鎮火の目安は約2時間で、撤収時刻から逆算して薪の投入を止めるとよい
  • 急ぐときは火消し壺で酸素を断つ(壺は冷めるまで高温なので素手で触らず、子どもを近づけない)か、水を使うなら少しずつ。薪を浸けるなら1〜2本ずつ、湯気が出なくなるまで浸す
  • 灰や炭は地面に埋めず(くすぶった炭は再燃するおそれもある)、完全に冷めてから灰捨て場に捨てるか、持ち帰って処分する
  • 離れる前に火が完全に消えたことを確認する。焚き火ができる場所自体にもルールがある

焚き火の醍醐味は炎そのものだけでなく、静かになった熾火をじっと眺める時間にもある。その余韻を、正しい後始末の手順とセットで覚えておけば、次のキャンプでも気持ちよく片付けて帰れるはずだ。焚き火の始め方から知りたい人はこちらの記事、これから焚き火台を選ぶ人はこちらの記事も参考にしてほしい。

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2018年11月1日

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