家の車が軽自動車で、家族4人でキャンプに行きたい。そのとき最初に効いてくるのは乗車定員だ。この記事で数字を使うN-BOXもハスラーも、定員は4名。4人で乗れば後席は埋まり、荷物は後席の後ろに残った場所と、屋根の上に分けて積むことになる。
この記事では、その2か所に何がどれだけ載るのかを、メーカーの数字で確かめる。車内はホンダのよくある質問に載っているN-BOXの荷室の寸法、屋根はスズキのハスラーの取扱説明書とアクセサリーのページ、高さの決まりは道路交通法施行令と施行規則の条文で読む。
数字は2026年9月26日に各ページで確かめた時点のもの。道具の積む順番はキャンプ道具の車への積み方に、軽以外の車の荷室の比べ方はキャンプ向きの車の選び方に分けて書いている。この記事は「軽で4人分が積めるか」を判断するための話だ。
目次
先に結論:4人で乗るなら「後席に人がいるときの数字」と「キャリア込みの重さ」で考える
- 車内:N-BOXの荷室は、後席に人が乗った状態だと、容量が185、床の長さが440〜630(後席の位置による)。後席を収納した2人乗りのときの容量845とは、大きく違う(ホンダのよくある質問の表より。表に単位の記載は無い。容量はVDA方式のホンダ測定値、寸法はお客様相談室調べの参考値)
- 屋根:ハスラーの取扱説明書では、スズキ純正のベースキャリアとアタッチメントを使ったとき、屋根に積める最大の重さは30kgで、この30kgにはキャリアとアタッチメントの重さが入っている。純正のカーゴラックアタッチメント(最大積載量10kg)を付けた場合、荷物の分は10kgになる
- 高さ:道路交通法施行令と施行規則では、軽自動車の大きさの車は、積んだ荷物の高さを数えるときの基準が、三・八メートルではなく二・五メートルの側に入る
ここからは筆者の読み方です。4人で乗る日は、後席の後ろに残る荷室と、キャリアの重さを引いた屋根の残りで、道具をやりくりすることになる。道具を減らすか、長いものを短く畳める道具に替えるか、屋根に軽くてかさばるものを回すか。どれを選ぶかを決める前に、まず自分の道具の「いちばん長い収納袋の長さ」と「屋根に回したいものの重さ」を量っておくと、判断が早い。
4人で乗ると、荷室はどれだけ残るか(N-BOXの数字)
軽自動車の荷室の寸法をメーカー自身が表で出している例として、ホンダのN-BOXのよくある質問「荷室サイズ・容量を教えて」を使う。2023年10月発売の24モデル(N-BOX/N-BOX CUSTOM)の欄から拾うと、次のとおり。ホンダの表には単位が書かれていないので、数字は表のままにしている(寸法は長さ、容量はVDA方式の体積の値)。
| 項目 | N-BOX/N-BOX CUSTOM(24モデル)の表の数字 |
|---|---|
| 荷室長(後席乗車時) | 440〜630(後席最後端〜後席最前端) |
| 荷室長(後席収納時) | 1535 |
| 荷室幅(床面) | 910 |
| 荷室高 | 1150 |
| 開口部地上高 | FFは470、4WDは490 |
| 荷室容量(4名乗車時・後席乗車時) | 185 |
| 荷室容量(2名乗車時・後席格納時) | 845 |
同じページでは、寸法は「お客様相談室調べであり、参考値」、容量は「VDA方式によるHonda測定値」と断っている。2024年9月発売のN-BOX JOYは別の欄になっていて、後席乗車時の荷室長が420〜610、4名乗車時の容量が150と、N-BOXより小さい数字が載っている。
ここからは筆者の読み方です。4人家族がまず見るのは「後席乗車時」の行だ。後席を前にスライドすれば床は長くなるが、そのぶん後ろに座る人の足元が狭くなる。範囲の長いほう(630)は後席を前へ寄せた側の数字と読めるので、子どもが小さいうちは使えても、大人が後ろに座るなら短い側で考えておきたい。
床の幅は表で910なので、長い収納袋は横向きに置けるかも見ておきたい。ただ、車内の数字だけで「全部入る」と決めるのは早い。次の節の、取扱説明書が書いている積み方の注意も合わせて見てほしい。
車内に積むときに、取扱説明書が注意していること(ハスラーの例)
スズキはハスラーの取扱説明書(PDF)を公開している。キャンプの荷物に関わる注意を拾うと、次のようなものがある(ここに挙げたものがすべてではない)。
- 積みすぎると、車体にも走行にも悪い影響が出る
- 荷物を車内で上へ重ねていかない。前後の見通しが悪くなるうえ、急ブレーキのときに荷物が前へ飛んで事故になるおそれもある
- 燃料や薬品の入った容器・スプレー缶などは車内に持ち込まない。引火や爆発のおそれがあるため
- 荷室は人が乗るつくりではないので、子どもを乗せない(道路上で停車している間に、荷室で遊ばせることも含めて)
- 後席の背もたれを前に倒したら、その上には人を乗せない。積んだ荷物は確実に固定する
ここからは筆者の読み方です。3つめの「燃料や薬品が入った容器、スプレー缶など」は、キャンプではガス缶や燃料ボトル、虫よけスプレーとして積み込みがちなものに当たる。ハスラーの取扱説明書は「持ち込まないでください」とはっきり書いている。軽かどうかに関係なく、自分の車の取扱説明書にどう書かれているかを、積む前に確かめておきたい。
2つめの「積み重ねない」は、後席乗車時の荷室に4人分を収めようとしたときにぶつかる注意だ。荷室の床に収まらないぶんを上へ重ねるのではなく、屋根に回すか、持っていく道具を減らすかを考える順番になる。
屋根に積める重さは「キャリアの重さ込み」で数える
車内に入らないぶんを屋根に回すとき、上限の数え方で間違えやすいのが「キャリアの重さ」だ。ハスラーの取扱説明書のルーフレールの項は、次のように書いている。
- ルーフレールに別売りのベースキャリアとアタッチメントを付けると、屋根に荷物を積める
- スズキ純正のベースキャリアとアタッチメントの場合、ルーフに積める最大の重さは30kgで、ベースキャリアとアタッチメントの重さを含む
- ルーフパネルの上に荷物を直接積まない。パネルが損傷するおそれがある
ルーフレールは、取扱説明書では「タイプ別装備」の印が付いている。つまり、タイプ(グレードなど)によって付いていない車がある。
純正のキャリアとラックを付けると、荷物に残るのは10kg
スズキのハスラーのアクセサリーのページには、屋根まわりの純正アクセサリーとして次の2つが載っている。
- ベースキャリア(ルーフレール付車用):製品重量5.4kg、最大積載量30kg(ベースキャリアとアタッチメントの製品重量を含む)。装着するとルーフから約80mm高くなる。ベースキャリアだけでは使えず、アタッチメントと組み合わせる
- カーゴラックアタッチメント:製品重量14.6kg、最大積載量10kg。ベースキャリア(INNO製)と組み合わせて使う。高さは189mm
取扱説明書の30kgから、キャリアとラックの重さを引くと、30kg−5.4kg−14.6kg=10kgで、ラック側に書かれた最大積載量10kgと同じになる。屋根にラックを載せた時点で、荷物に使えるのは10kgという計算だ。
ここからは筆者の読み方です。屋根には「かさばるけれど軽いもの」を回し、重いものは車内の床に置くほうが、この上限と「積み重ねない」の両方を守りやすい。屋根に回したいものは、家の体重計などで一度量っておくと迷わない。
N-BOXの場合:キャリアメーカーの適用情報を見る
N-BOXについては、キャリアメーカーの適用情報に数字が出ている。PIAAは、Terzoキャリア&ルーフボックス適用情報「N-BOX/N-BOXカスタム」(型式JF5・6、年式R5.10〜)で、エアロバーとスクエアバーのどちらも取付可能とし、積載重量の目安を30kg(ルーフボックス/ルーフラック装着時は40kg)としている。ベースキャリアを付けたときの車高は、エアロバーで約189.7cm、スクエアバーで約189.2cmだ。
ここからは筆者の読み方です。この目安にキャリア本体やボックスの重さが入るかどうかは、買う前にキャリアとボックスそれぞれの取扱説明書か、メーカーの窓口で確かめておきたい。数え方を取り違えると、上限を守っているつもりで超えることになる。
高さの決まり:軽自動車の大きさの車は「二・五メートル」の側に入る
屋根に積むと、高さの決まりも関わってくる。ここは条文の数字の書き方(漢数字)のまま書く。
道路交通法施行令第22条第3号ハによると、積載物の高さは、三・八メートル(三輪の普通自動車と、車体と原動機の大きさを基準として内閣府令で定める普通自動車は二・五メートル)からその自動車の積載をする場所の高さを減じたものを超えないこと、とされている(同じ括弧の中には、大型自動二輪車・普通自動二輪車・小型特殊自動車の高さと、公安委員会が定める高さについての定めもある)。
道路交通法施行規則第7条の14によると、この内閣府令で定めるものは、車体の大きさが長さ三・四〇メートル以下、幅一・四八メートル以下、高さ二・〇〇メートル以下の普通自動車(内燃機関を原動機とする自動車にあっては、その総排気量が〇・六六〇リットル以下のものに限る)とされている。
ここからは筆者の読み方です。ハスラーの主要諸元表(PDF)を見ると、全長は3,395mm、全幅は1,475mm、全高は1,680mm(ルーフアンテナを折り畳んだときの値)で、総排気量も施行規則の枠の中に入っている。こうした軽自動車の大きさの車は、屋根に積むときの高さを「二・五メートルから、積む場所の高さを引いた分まで」で考えることになる。積む場所の高さを足し戻せば、地上から二・五メートルまでと読める。
ハスラーの全高に、ベースキャリアで高くなる約80mmと、カーゴラックの高さ189mmを足すと、1,680mm+80mm+189mm=1,949mmで、二・五メートルまではまだ余裕がある。ただ、自宅の車庫や立体駐車場には、それぞれ別に高さの制限がある。屋根に積んだ日は、いつもの駐車場に入れるかを出発前に確かめておきたい。
4人で行けるかを決める手順
ここまでの数字を使って、筆者なら次の順で決める。
- 乗る人数を決める。4人で乗るなら、荷室は「後席乗車時」の数字で考える
- いちばん長い収納袋を測る。N-BOXなら後席乗車時の床の長さは表で440〜630、幅は910。横に寝かせて入るかを見る
- 車内に積み重ねずに収まるかを見る。重ねないと入らないぶんが、屋根か、置いていく候補になる
- 屋根に回すものの重さを量る。自分の車の取扱説明書で、屋根の上限とキャリアの重さの扱いを確かめ、キャリアとボックス(ラック)の重さを引いた残りと比べる
- 燃料やスプレー缶の運び方を、取扱説明書で確かめる。
- それでも足りなければ、道具を減らすか、小さく畳める道具に替える。
屋根用のボックスや、荷物の重さを量るはかり、車内で荷物をまとめる収納ボックスは、Amazonでも探せる。ボックスやキャリアを選ぶときは、商品ページの重さと、自分の車に付けられるか(適合)の両方を見てから決めたい。
これから軽をリースで選ぶなら、見積もりで聞いておくこと
ここで数字を使ったN-BOXとハスラーは、どちらもニコノリの車種ページにある。2026年9月26日に見たところ、どちらも定員は4で、見積もりの例はN-BOXがベースグレードの前輪駆動、ハスラーがHYBRID Gの前輪駆動の仕様だった(ニコノリのページには、車両情報のデータは同社調べと書かれている)。
同じページのよくある質問では、発売中のグレードはどれでも選べるとしている。ハスラーのルーフレールはタイプ別装備なので、屋根に積むつもりがあるなら、見積もりのときに「そのグレードにルーフレールが付いているか」を確かめておきたい。スズキのアクセサリーのページでは、カーゴラックアタッチメントの欄にタフワイルドとタフワイルドターボの名前が載っている。
リースの車にキャリアを付けてよいか、返すときにどうするかは、ニコノリのよくある質問の中でも回答が分かれている。カーリースの車でキャンプに行く前に確かめることで詳しく読んでいるので、キャリアを付ける予定がある人は、見積もりの前に目を通してほしい。
まとめ
- N-BOXもハスラーも定員は4名。4人で乗る日は、荷室を「後席乗車時」の数字で考える(N-BOXなら容量185、床の長さ440〜630。ホンダの表の数字)
- ハスラーの取扱説明書は、車内に荷物を積み重ねないこと、燃料や薬品の容器・スプレー缶を車内に持ち込まないことを注意している
- ハスラーの屋根の上限は30kgで、純正のベースキャリアとアタッチメントの重さを含む。純正のキャリアとカーゴラックを付けると、荷物の分は10kg
- ハスラーのルーフレールはタイプ別装備。付いているかを、リースや購入の見積もりで確かめる
- 軽自動車の大きさの車は、積んだ荷物の高さを数える基準が二・五メートルの側に入る。車庫や駐車場の高さ制限も別に確かめる
数字をそろえてみると、軽で4人のキャンプは「積めるかどうか」より「何を置いていくか」を決める作業になる。まずは道具を並べて、長さと重さを測るところから始めてみてほしい。
参考にした情報源
- Honda「【N-BOX】【ラゲッジスペース・荷室】荷室サイズ・容量を教えて」(24モデル・N-BOX JOYの荷室寸法と容量)
- スズキ「ハスラー 取扱説明書」(PDF)(ルーフレール、荷物を積むときの注意、荷室・後席の注意)
- スズキ「ハスラー アクセサリー」(ベースキャリア・カーゴラックアタッチメントの重さと最大積載量)
- スズキ「ハスラー 主要諸元表」(PDF)(全長・全幅・全高・総排気量・乗車定員)
- PIAA「Terzoキャリア&ルーフボックス適用情報『N-BOX/N-BOXカスタム』」(積載重量目安・装着時車高)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行令」(第22条 自動車の乗車又は積載の制限)
- e-Gov法令検索「道路交通法施行規則」(第7条の14 積載の高さ等について特別の制限を受ける普通自動車)
- ニコノリ「ホンダ N-BOX」・「スズキ ハスラー」(見積もり例の仕様・定員・よくある質問)


コメントを残す