ソーラーパネルでポータブル電源は何時間で満充電?|式より長いJackeryの一覧と、季節で変わる日射量

ソーラーパネルでポータブル電源は何時間で満充電?|式より長いJackeryの一覧と、季節で変わる日射量

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容量1070Whのポータブル電源を、100Wのソーラーパネル1枚で満充電するには何時間かかるか。容量をパネルのWで割ると10.7時間。ところが、ポータブル電源メーカー Jackery(ジャクリ)自身が載せている充電時間の一覧では、同じ組み合わせが約15時間になっている。

さらに季節の差がある。気象庁の東京の平年値では、12月の全天日射量は8.1MJ/㎡で、5月の17.3MJ/㎡の半分に届かない。日が照っている時間(日照時間)は、12月も5月もほぼ同じなのにだ。

この記事では、Jackery の公式の解説ページと気象庁の平年値を使って、「式で割った時間」と「公式の一覧の時間」のずれ、そのずれが生まれる理由、季節と角度での変わり方を順に並べる。数字は2026年9月26日に各ページで確かめた時点のものだ。

電源サイトと比べたい人は電源サイトとポータブル電源の比べ方を、機種の選び方全体はポータブル電源のキャンプ用選び方ガイドを読んでほしい。この記事は、ソーラーパネルでの充電時間の見積もりだけに絞る。

目次

先に答え:式の答えは短めの目安。公式の一覧は、それより長い

  • 計算の式……Jackery は、ポータブル電源の容量(Wh)をパネルが発電する力(W)で割って、充電時間の目安を出す方法を案内している。ただし最適な条件での理論値だと断っている
  • 公式の一覧は式より長い……1000 New(1070Wh)に100Wのパネル1枚で、式は10.7時間、一覧は約15時間。1500 New(1536Wh)に100W1枚なら、式は15.4時間、一覧は約20時間
  • パネルのWどおりに入らない理由……Jackery は、配線と変換で失われる分、本体が受け入れられる入力の上限、パネルの公称出力が決まった試験の条件で測った値であることを挙げている
  • 季節……東京の平年値で、12月の全天日射量は5月の半分に届かない。秋冬のキャンプでは、同じパネルでも充電に時間がかかると見ておくほうが無難だと筆者は考える
  • 角度と置き方……パネルを太陽に向けて2〜3時間ごとに向きを直す、影を避ける、裏に風を通す。Jackery は発電量が多くなる時間帯として午前10時から午後2時を挙げている

計算の式:容量をパネルの発電能力で割る

Jackery はソーラー充電の時間の目安を、次の式で出すと案内している。

充電にかかる時間(時間)= ポータブル電源の容量(Wh)÷ パネルが発電する力(W)

1000 New(1070Wh)に100Wのパネルをつなぐと、1070Wh ÷ 100W × 1時間 = 10.7時間 になる。Jackery の別の解説ページも、1000 New に100Wのソーラー入力がある場合を例に、同じ割り算で「約10時間」としている。

ただし Jackery は、この計算結果は最適な条件での理論値で、実際の充電時間は季節や天候、太陽光の当たる角度、バッテリーの状態などで変わるとしている。別のページでも、ソーラーパネルでの充電にかかる時間は、季節や日差しの強さ・当たり方、パネル表面の傷や汚れによって大きく変わると書いている。

Jackery の一覧と、式の答えを並べる

Jackery は、自社のポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせごとに、ソーラー充電時間の一覧(例)を載せている。その一覧の時間と、上の式で割った時間を並べると次のようになる。パネルを2枚つなぐ行は、100W × 2 = 200W として割った。

機種(容量) パネル 式で割った時間 Jackery の一覧
1000 New(1070Wh) 100W 1枚 1070Wh ÷ 100W × 1時間 = 10.7時間 約15時間
1000 New(1070Wh) 100W 2枚 1070Wh ÷ 200W × 1時間 = 5.35時間 約8時間
1500 New(1536Wh) 100W 1枚 1536Wh ÷ 100W × 1時間 = 15.4時間 約20時間
1500 New(1536Wh) 200W 1枚 1536Wh ÷ 200W × 1時間 = 7.68時間 約9.5時間
2000 New(2042Wh) 200W 1枚 2042Wh ÷ 200W × 1時間 = 10.21時間 約15時間
3000 New(3072Wh) 200W 1枚 3072Wh ÷ 200W × 1時間 = 15.36時間 約22時間

どの行も、一覧の時間は式で割った時間より長い。一覧のページには、その時間をどんな天気や季節で見積もったかは書かれていない。

一覧に出てくる Solar Generator の各機種の容量や価格は、Jackery公式サイトの商品ページで見られる。

ここからは筆者の読み方です。式の答えは短いほうの目安、一覧の時間は「メーカーが例として出した、もう少し現実に寄せた」目安として見ると、計画を立てやすい。どちらも、曇りの日や冬の日を想定した数字だとは書かれていない。

発電がパネルのWに届かない理由:Jackery が挙げる3つ

Jackery は、ソーラー充電の入力ワット数がパネルの公称出力を下回ることがある理由として、次の3つを挙げている。

1. 配線と変換で失われる分

パネルで作った電気がポータブル電源に届くまでに、ケーブルや接続部分のわずかな抵抗で一部が熱に変わる。本体の中でも、電圧を変える回路が動くときに電力のロスが出る。

2. 本体が受け入れられる入力の上限

ポータブル電源には、受け入れられる電圧・電流・電力の上限が決まっていて、上限を超える電力が入ると、充電を制限したり止めたりする。パネルの枚数やつなぎ方(直列・並列)が本体の入力の範囲に合っていないと、パネルの力を出し切れない。

Jackery はその例として、「ポータブル電源1000」(名前に New が付かない機種)に100Wのパネルを2枚つないでも、充電電流が7.5Aに制限されているため、入力は135Wにとどまるという話を載せている。パネルを買い足す前に、手持ちの本体のソーラー入力の上限を取扱説明書や公式の仕様で確かめておきたい。

3. パネルの公称出力は、決まった条件で測った値

パネルの仕様に書かれた出力は、標準試験条件(STC)という管理された条件で測った値だ。Jackery の説明によると、光の強さ(放射照度)が1000W/m²、セルの温度が25℃、光の分布はAM1.5という条件になる。実際の屋外では、太陽光の強さや当たる角度、パネルの温度、雲や建物・木の影、表面のホコリや汚れで発電が変わる。

温度について、Jackery はパネルが性能を出しやすい表面温度を20℃から25℃とし、真夏の強い日差しで表面温度が30℃を超えると、発電効率は少しずつ下がり始めると書いている。0℃を下回るような寒さでも効率は下がるとしている。

季節で変わる:12月の日射量は5月の半分に届かない

季節の差を、気象庁の平年値(1991〜2020年)で見てみる。東京(東京都)の観測地点の、日照時間と全天日射量の平年値から、6つの月を抜き出した。

月 日照時間(月の合計・時間) 全天日射量(平均)
4月 178.8 16.1MJ/㎡
5月 179.6 17.3MJ/㎡
8月 174.2 15.8MJ/㎡
10月 129.4 9.8MJ/㎡
11月 149.8 8.6MJ/㎡
12月 174.4 8.1MJ/㎡

表のとおり、12月の日照時間は5月とほとんど変わらない。それでも全天日射量は、12月の8.1MJ/㎡が5月の17.3MJ/㎡の半分に届かない。日照時間の長さだけでは、パネルがどれだけ発電できるかは見積もれないということだ。

ここからは筆者の読み方です。秋から冬のキャンプでソーラー充電に頼るなら、上の一覧の時間よりさらに長くかかる前提で計画しておくほうが外れにくい。この表は東京の観測地点の値で、山のキャンプ場など場所が変われば数字も変わる。ほかの地点の平年値も、気象庁の過去の気象データ検索で調べられる。

冬はもうひとつ、ポータブル電源の本体側にも気温の条件がある。寒いと充電が止まる件はポータブル電源が寒いと充電できないときの記事にまとめた。

角度と置き方:Jackery が挙げるコツ

Jackery は、ソーラー充電の効率を上げるコツとして次のものを挙げている。

  • 2〜3時間おきに、パネルを太陽のほうへ向け直す。光が面にまっすぐ当たる角度に近づけるほど発電が上がる
  • 朝から夕方まで日が当たり、木や建物の影が落ちない場所に置く。影が少しかかるだけでも、発電が大きく落ちることがある
  • つなぐ前に、表面の砂ぼこりや汚れを柔らかい布でふき取っておく
  • 地面にべたっと置かず、スタンドで立てて裏側に風の通り道を作る。熱がこもると効率が落ちる
  • 発電がいちばん伸びやすい午前10時〜午後2時に合わせて充電する

影については、Jackery の2022年の記事が、置いたときに日なたでも、太陽が動くと途中から木の影がかかる場合があるとし、画面の入力の数字が落ちているときは影がかかっていないか確かめるよう書いている。キャンプ場では、自分のタープやテントの影も同じように動く。

安全の面では、Jackery はパネルを火気やストーブなどの熱源、燃えやすいものの近くで使ったり保管したりしないこと、強風や雹(ひょう)が予想されるときは屋内にしまうことを注意として挙げている。焚き火のそばや、風の強い日のサイトに広げたままにしない。

連泊で考える:満充電ではなく、使った分を戻す

連泊で電源が切れそうなとき、知りたいのは「空から満充電まで」より「使った分を1日で戻せるか」のほうだろう。

Jackery は2022年の記事で、出発前に満充電し、1泊で50%まで減ったなら、そこから満充電までは、その記事に載せた充電時間の表の半分の時間でできると説明している。これを筆者が今の一覧に当てはめると、1000 New に100Wのパネル1枚なら 15時間 ÷ 2 = 7.5時間、100W 2枚なら 8時間 ÷ 2 = 4時間 が目安になる。

ここからは筆者の読み方です。Jackery が発電量の多い時間帯として挙げる午前10時から午後2時だけで考えると、パネル1枚で7.5時間ぶんを1日で取り戻すのは難しい。パネル2枚の4時間なら、その時間帯に収まる計算になる。ただしこれも晴れた日の、しかも一覧の条件に近い日の話で、12月のように日射量が少ない月や曇りの日は、さらに足りなくなると見ておきたい。

1日に使う量をそもそも減らす手もある。電気毛布なら、何時間使えるかの見積もりをポータブル電源で電気毛布は何時間使えるかの記事で計算した。使う量と、ソーラーで戻せる量を並べて決めると、パネルを何枚持っていくかが決めやすい。

パネルとセットで選ぶなら

Jackery は、ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせた「Solar Generator」を出している。上の一覧も、Solar Generator の機種ごとの時間だ。容量とパネルのWの組み合わせ、本体のソーラー入力の上限、価格は、公式サイトの商品ページで確かめてほしい。

Jackery公式サイトでポータブル電源とソーラーパネルを見る

容量・入力の上限・価格・販売状況は、買う前に公式サイトや商品ページで確かめてください。

まとめ

  • 充電時間の目安は「容量(Wh)÷ パネルの発電能力(W)」。ただし Jackery 自身が、最適な条件での理論値としている
  • Jackery の一覧は式より長い。1000 New に100W1枚で、式は10.7時間、一覧は約15時間
  • パネルのWどおりに入らない理由として、Jackery は配線と変換のロス、本体の入力の上限、公称出力が試験の条件で測った値であることを挙げている
  • 東京の平年値では、12月の全天日射量は5月の半分に届かない。日照時間はほぼ同じでも、発電の見込みは同じにならない
  • 向きを2〜3時間ごとに直す、影を避ける、裏に風を通す。発電量が多い時間帯は午前10時から午後2時
  • 連泊では、満充電ではなく「使った分を戻せるか」で考える。1000 New を半分戻すなら、100W1枚で約7.5時間、2枚で約4時間が一覧からの目安

ソーラーパネルは、晴れた日の昼に広げておけば自動で満タンになる道具ではない。式の答えを短めの目安、メーカーの一覧をもう少し現実に寄せた目安として持ち、季節と行き先で長めに見積もっておくと、連泊の夜に電源が切れて困ることを減らせる。

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2018年11月1日

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