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古いポータブル電源が膨らんできた。燃えないごみの日に出してよいのか。先に答えると、ごみの日に出す前に、住んでいる市区町村の案内を確かめる必要がある。たとえば横浜市は、ポータブル電源と、膨らんだり壊れたりした電池は、ごみの集積場所に出せないとしている。
家電量販店などに置かれている充電式電池の回収箱(JBRC)も、AC100Vの出力があるポータブル電源は受け付けていない。そのほかの窓口として、市区町村が指定する持ち込み先や、メーカーの回収がある。この記事では、政府広報・横浜市などの市区の案内・JBRC・ポータブル電源メーカー Jackery(ジャクリ)の回収の案内を並べ、どこに何を確かめればよいかを順に書く。内容は2026年9月25日に各ページで確かめた時点のものだ。
ポータブル電源の保管のしかたはポータブル電源の保管方法に、選び方はキャンプ用の選び方ガイドにまとめてある。この記事は、手放すときの話だけに絞る。
目次
先に答え:ごみの日に出す前に、確かめる順番
- 膨らんでいるなら、まず使うのをやめる……Jackery は、本体の膨らみや変形を、すぐに使用を中止すべき異常の1つに挙げている
- 住んでいる市区町村の案内を確かめる……ポータブル電源や膨らんだ電池の扱いは、市区町村ごとに違う。集積場所には出せず、窓口への持ち込みを求める市もある
- 家電量販店の回収箱には入れない……JBRC の表で、ポータブル電源(AC100V出力付)は回収の対象外になっている
- メーカーの回収を確かめる……Jackery は、日本国内で売られた自社のポータブル電源本体を無料で回収している。送料は自分で払う
「燃えないごみ」に混ぜる前に知っておきたい数字
政府広報オンラインによると、リチウムイオン電池は強い衝撃などをきっかけに発火するおそれがある。分別を誤ってごみに出された電池が、収集車の中で押しつぶされたり、処理施設の破砕機で衝撃を受けたりして発火し、大きな火災になった例もあるという。
同じページは、電池の混ざったごみから出火して消防隊などが消火したケースが、2022年度の4,260件から2023年度は8,543件へと倍増したと紹介している(環境省の一般廃棄物処理実態調査をもとにした数字)。
また、電池が原因の火災事故などが起きた市区町村を対象に、環境省が2024年度に行った調査では、火災事故などがいちばん起きていた分別区分は「不燃ごみ」で、全体の72%だった。一般的に不燃ごみはまず細かく砕かれるので、そこに電池が紛れていると、砕くときの衝撃で発火することがあると説明している。そのうえで、不燃ごみとして安易に出さず、住んでいる自治体のルールを確かめて、それに沿って出すよう呼びかけている。
ポータブル電源は、この電池を中に入れた製品だ。独立行政法人のNITE(製品評価技術基盤機構)は、ポータブル電源には可燃性の電解液を含む電池が複数入っていて、いったん発火すると次々に燃え広がり、大きな火災につながるおそれがあるとしている。
市区町村の案内は、ポータブル電源と膨らんだ電池をどう扱っているか
ここは市区町村ごとに違う。いくつかの案内を見ると、違いが分かる。
横浜市:ポータブル電源は集積場所に出せない
横浜市のよくある質問は、小型の充電式電池を週2回の「電池類」の日に出すよう案内したうえで、膨らんだり壊れたりした電池とポータブル電源は集積場所に出せないとしている。持ち込み先は各区の資源循環局事務所で、受け付けは月曜日から土曜日の9時から16時(11時30分から13時30分は避けるよう書かれている)。
膨らんだ電池の扱いは、区によって分かれる
次の2つは、モバイルバッテリーなどの電池の出し方の案内で、ポータブル電源の名前は出てこない。それでも、膨らんだものの扱いが区ごとに違うことは分かる。
- 中野区……膨らんだり変形したりしたものは、ごみ集積所に出せず、清掃事務所へ持ち込む。電池を取り外せない製品のうち、一辺が30センチメートル以上のものは粗大ごみになる
- 江東区……膨らんだ電池やモバイルバッテリーは、1つだけで袋に入れて「膨張電池」と書き、燃やさないごみの日に出せる。区の清掃事務所などへの持ち込みもできる
同じ「膨らんだ電池」でも、集積所に出せる区と出せない区がある。だから、他の街の出し方をそのまま真似せず、自分の市区町村のページで「ポータブル電源」と「膨張」の両方を探すのが確実だ。見つからなければ、清掃事務所などの窓口に電話で聞くとよい。
Jackery も、ポータブル電源の処分について書いた記事の中で、回収方法は国の明確な決まりが無く、自治体の対応に任されているとしている(ページは記事末の「参考にした情報源」に載せた)。
家電量販店の回収箱(JBRC)は、ポータブル電源を受け付けていない
家電量販店などに置かれている「小型充電式電池リサイクルBOX」は、電池メーカーなどでつくる一般社団法人JBRCが運営している。JBRC の排出方法のページにある回収対象の表では、対象外の機器の欄に「ポータブル電源(AC100V出力付)」が挙がっている。同じ表は、外装が壊れたもの・変形したもの・膨らんだもの・液もれしたものも対象外としている。
政府広報のページも、JBRC の回収箱について、壊れたものや膨らんだもの、JBRC の会員ではないメーカーの電池は対象外だと注意している。膨らんだポータブル電源は、機器の種類の点でも、状態の点でも、この回収箱には入れられない。
メーカーの回収:Jackery の無料回収の条件
市区町村の窓口とは別の道として、メーカーの回収がある。ここでは Jackery を例に、公式サイトの回収ページに書かれた条件を整理する(回収ページのURLは記事末の「参考にした情報源」に載せた)。
| 項目 | 回収ページの記載 |
|---|---|
| 対象の製品 | 日本国内で販売された Jackery のポータブル電源の本体だけ。ソーラーパネルと各種アクセサリーは対象外で、ポータブル電源とセットで買ったソーラーパネルも含まれない |
| 対象の人 | 日本国内に住んでいるか、滞在している人 |
| 費用 | 無料。ただし送料は自分で払う |
| 送り方 | 段ボール箱を自分で用意して梱包し、運送会社に持ち込むか集荷を頼んで、送料元払いで回収ページの宛先へ送る。着払いは受け取れない |
| 他社の製品 | Jackery の製品でなければ受け取れない |
表の内容で気をつけたいことが2つある。
1つ目は、事前の連絡だ。回収ページの手順は「梱包する」「送る」の2段で、送る前の連絡は書かれていない。一方、同じ Jackery の処分の記事は、処分する機種と本体の番号を先に伝えてから、指定の住所へ送るとしている。どちらの手順が今の正かは、ページからは決められない。送る前に、回収ページにあるメールか電話の窓口に確かめておくのが確実だ。
2つ目は、膨らんだものを送ってよいかだ。回収ページには、膨らんだものや壊れたものの扱いが書かれていない。膨らんでいるなら、その状態を窓口に伝え、送り方の指示を受けてから動いてほしい。
Jackery 以外のメーカーのポータブル電源は、そのメーカーの回収の有無と条件を、メーカーの公式ページで確かめることになる。
手放す前に、リコールの対象かも見ておく
NITEは、持っているポータブル電源がリコールの対象かどうかを確かめるよう呼びかけている。対象なら、異常が無くてもすぐに使うのをやめ、販売店や製造事業者に連絡するよう書いている。捨てる前に型番で一度調べておくと、窓口に相談するときの話も早い。
膨らんできたときの動き方
読者の悩みでいちばん急ぐのは、ここだと思う。出典ごとに分けて書く。
Jackery の公式ブログにある火災リスクの記事(ページは記事末の「参考にした情報源」に載せた)は、本体が膨らんでいる・変形しているときは、すぐに使用を中止するよう書いている。異音や異臭、本体の異常な熱さ、充電できないといった様子も、同じ異常の仲間に挙げている。気づいたら、本体を燃えやすい物から遠ざけ、安全な場所へ移すよう案内している。
Jackery の処分の記事は、ポータブル電源を自分で解体しないよう書いている。政府広報のページも、電池が内蔵された製品は無理に電池を取り外すと危ないので、分解せずにそのまま処分するよう呼びかけている。
捨てる前の残量については、政府広報のページが、製品が動かなくなるまで電力を使い切るよう呼びかけている。Jackery の火災リスクの記事も、廃棄の前に残量をできるだけゼロに近づけ、端子をビニールテープなどで覆っておくと、運ぶ途中のショートを防げるとしている。
ここからは筆者の読み方だ。使い切るには、そのあいだ使い続けることになる。膨らんだ本体は、同じ Jackery の記事が使用を中止する異常に挙げているので、膨らんでいるなら使い切る作業には入らず、使うのをやめたまま、市区町村の窓口かメーカーに状態を伝えて、どう出せばよいかを聞くのがよいと考える。膨らんでいないものは、上の2つの案内どおり、使い切ってから出せばよい。
不用品回収の業者に頼む方法も、Jackery の処分の記事は挙げている。頼むなら、家庭のごみを回収できる許可を持っているかを先に確かめてほしい。確かめ方は不用品回収の見積もりで確かめることにまとめた。
買い替えるなら、手放すときの窓口まで見て選ぶ
ポータブル電源は、捨てるときに窓口を探すことになる道具だ。買い替えるなら、メーカーが自社製品の回収を用意しているかを、買う前に確かめておくと、次に手放すときに迷わない。上の表のとおり、Jackery は日本国内で売った自社のポータブル電源の本体を、送料の負担だけで回収している。
新しい機種を長く使うための保管のしかたはポータブル電源の保管方法に、冬の使い方は寒いと充電できない理由に書いた。
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まとめ:ごみの日に出す前に、窓口を確かめる
- リチウムイオン電池の混ざったごみから出火し、消防隊などが消火したケースは、2022年度の4,260件から2023年度は8,543件に増えた。環境省の2024年度の調査では、火災事故などがいちばん起きていた分別区分は不燃ごみで、全体の72%
- ポータブル電源や膨らんだ電池の出し方は、市区町村で違う。横浜市は、ポータブル電源も膨らんだ電池も集積場所に出せないとし、区の事務所への持ち込みを案内している
- 家電量販店などの JBRC の回収箱は、ポータブル電源(AC100V出力付)も、膨らんだ電池も対象外
- Jackery は、日本国内で販売した自社のポータブル電源の本体を無料で回収している。送料は元払いで自分が負担し、ソーラーパネルやアクセサリーは対象外
- 膨らんでいるなら使うのをやめ、自分で分解しない。使い切ってから出すかどうかも含めて、窓口に状態を伝えて指示を受ける(筆者の考え)
膨らんだポータブル電源を前にすると、早く家から出したくなる。それでも、ごみの日に出す前に、市区町村のページかメーカーの窓口で一度確かめる。それがいちばん確実な近道だ。
参考にした情報源
- 政府広報オンライン「リチウムイオン電池、誤った捨て方で火災に!」(火災の件数、不燃ごみ72%、使い切る・分解しない・自治体のルールを確かめる、JBRC の回収箱の対象外)
- 横浜市「小型充電式電池(リチウムイオン電池、モバイルバッテリー等)の出し方」(ポータブル電源・膨らんだ電池は集積場所に出せない、持ち込み先と時間)
- 中野区「リチウムイオン電池は正しく分別しましょう」(膨らんだ・変形したものは清掃事務所へ、一辺30センチメートル以上は粗大ごみ)
- 江東区「リチウムイオン電池(充電式電池)等の出し方について」(膨らんだ電池の出し方、持ち込み)
- 一般社団法人JBRC「排出方法(回収対象、対象外説明)」(ポータブル電源(AC100V出力付)と、膨らんだ・壊れた電池は回収の対象外)
- NITE(製品評価技術基盤機構)「ポータブル電源 1.リコール製品に注意」(ポータブル電源の火災の広がり方、リコールの確かめ方)
- Jackery Japan「ポータブル電源無償回収・リサイクルサービス」(回収の対象・費用・送り方)
- Jackery Japan 公式ブログ(ポータブル電源の火災リスクのページ)(使用を中止する異常、廃棄の前の残量と端子の保護)
- Jackery Japan 公式ブログ(ポータブル電源の処分方法のページ)(自治体の対応に任されていること、機種と本体の番号を伝える手順、自分で解体しない)


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