キャンプの薪ストーブの煙突掃除はいつやる?|取扱説明書は「定期的に」。回数の目安と灰の始末

キャンプの薪ストーブの煙突掃除はいつやる?|取扱説明書は「定期的に」。回数の目安と灰の始末

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キャンプの薪ストーブの煙突掃除は「定期的に」。屋外で使う薪ストーブの取扱説明書には、回数までは書かれていない。テンマクデザインのウッドストーブもホンマ製作所のステンレスストーブコンロセット APS-48DXも、煙突の中にたまるススやタールが、不完全燃焼や煙道火災を起こすもとになるとして、定期的な煙突掃除を求めている。回数の目安を探すと、建物の中に据える薪ストーブの取扱説明書にある「年1回以上」「ススが3mm以上」に行き着くが、これはキャンプ用の数字ではない。

この記事は、テントの外で使う薪ストーブの手入れの話だ。上の2つの取扱説明書は、どちらもテントの中での使用を禁じている。屋外で使う薪ストーブの取扱説明書に書いてあることを先に並べ、足りない部分をどこまで建物用の資料で補えるかを分けて書く。

目次

先に確認──この記事は「テントの外で使う」薪ストーブの話

キャンプ用の薪ストーブには、テントの中での使用を禁じている製品がある。この記事で取扱説明書を引く2つの製品は、どちらもそうだ。

  • テンマクデザイン ウッドストーブ S/M/L … 表紙で「屋外用薪ストーブ」と名乗り、「テント内使用厳禁」と大きく書いている。屋外用として作られているので、屋内、テント内、換気の不十分な場所では使わないように、という説明だ
  • ホンマ製作所 APS-48DX … 「テント等の内部での使用禁止」の項がある。テントのような密閉空間で使うと不完全燃焼を起こして危険なこと、火の粉などで火災が起きるおそれがあることが理由として書かれている

このサイトは、テントの中で薪ストーブを使うことを勧めない。テントの中の燃焼器具と一酸化炭素の話はキャンプの一酸化炭素中毒対策の記事にまとめている。ここから先は、テントやタープから離した屋外で、焚き火の代わりに暖を取ったり調理したりする使い方を前提にする。

屋外で使う薪ストーブの取扱説明書は「定期的に」──回数は書いていない

2つの取扱説明書は、煙突掃除について、ほぼ同じことを書いている。テンマクデザインの取扱説明書は、注意の欄に「定期的な煙突掃除」の項を置き、ホンマ製作所 APS-48DX の取扱説明書にも同じ名前の項がある。中身はどちらも次の2点だ。

  • 煙突の中にたまったススやタールは、不完全燃焼や煙道火災を起こすもとになる
  • だから、定期的に煙突掃除をする

ここで押さえておきたいのは、どちらにも「何回使ったら」「何か月ごとに」という数字が無いことだ。「定期的に」とだけ書いてある。泊数で決まる答えを探しても、この2つの取扱説明書の中には見つからない。

まず自分の薪ストーブの取扱説明書を開いて、点検や掃除の目安が書かれていないかを確かめてほしい。製品が違えば、書いてあることも違う可能性がある。

回数の目安を探すと、建物用の取扱説明書に行き着く

回数の目安が書かれた資料として見つかったのは、建物の中に据える薪ストーブの取扱説明書だった。ホンマ製作所の薪ストーブ LS-350 の取扱説明書は、メンテナンスの章で2つの目盛りを置いている。

  • 年1回以上の煙突掃除が必須。そのうえで、掃除の頻度は使用状況等による、と添えてある
  • 煙突の中を定期的にチェックして、ススが3mm以上堆積していたら掃除する

「年1回以上」は上限ではなく下限で、「使用状況等による」とあるとおり、回数だけでは決まらないと取扱説明書自身が書いている。回数とは別に、中を見て厚みで判断する、という形だ。

🔴 ただし、LS-350 は建物の中に据えて使う機種で、キャンプ用ではない。煙突の太さも違う。LS-350 の取扱説明書が挙げる煙突径は150mm、屋外でも使う APS-48DX の取扱説明書が挙げる煙突径は100mmだ。使い方も、燃やす時間も、煙突の長さも違う道具の数字なので、「キャンプ用も3mmで掃除すればよい」と書いてある資料があるわけではない。

ここからは、このサイトの当てはめになる(資料に書いてあることではない)。キャンプの薪ストーブには、撤収のたびに煙突を外して持ち帰る製品がある(テンマクデザインのウッドストーブは、取扱説明書の組み立ての図で、煙突を本体の中から取り出している)。外したときに中をのぞけば、ススやタールがどのくらい付いているかは見られる。回数の決まりが無い以上、使ったら中を見て、付いていたら落とす、というのがいちばん無理のない読み方だと考える。3mmという数字は、その判断の「桁の感覚」として参考にとどめてほしい。

なぜ溜めると危ないのか──煙道火災

2つの取扱説明書が理由に挙げている「煙道火災」は、環境省『木質バイオマスストーブ環境ガイドブック』に説明がある。煙突を掃除しないまま使い続けているとタールが溜まり、その状態で過熱させると、煙道の内側で火が出ることがある。そのときの煙道の内側は1000℃を超えることもあるとされ、周りに燃えるものがあれば燃え移るおそれがある。

溜まったものが燃える話なので、判断の手がかりは回数よりも「どれだけ付いているか」になる。建物用の LS-350 が厚みの目盛りを置いているのも、同じ筋だと読める。

屋外の薪ストーブの周りにも、燃えるものは多い。テントやタープ、チェア、薪の山、着ている服。煙突が外にあるから安心、とはならない。

ススとタールを増やす条件

掃除と同じくらい大事なのが、溜めにくい使い方だ。資料から拾えるのは、主に次の3つになる。

湿った薪

APS-48DX の取扱説明書は、湿った燃料は入れないこと、不完全燃焼の原因になることを書いている。軽井沢町消防課も、湿った薪を使うとススやタールが多く出て、煙突の中に溜まりやすくなるとしている。

キャンプ場の売店で買う薪は、乾き具合が店によって違う。1泊に必要な量の見積もりはキャンプの薪は何束必要かをまとめた記事で扱っている。

薪以外のもの

テンマクデザインの取扱説明書は、警告の欄に「薪以外の燃料厳禁」を置き、爆発するおそれのあるものや有毒なガスが出るものは燃やさないよう書いている。APS-48DX の取扱説明書は、防腐剤や接着剤を使った集成材、型枠ベニヤ、ビニールなどを燃やすと、においが出たり、ストーブ本体や煙突が傷む原因になったりするとして、燃やさないよう求めている。ごみや包装を放り込む使い方は、どちらの取扱説明書も認めていない。

燃やす温度

テンマクデザインの取扱説明書は、表紙で「適正温度管理 必須」とし、薪ストーブ用の温度計で温度を管理することを強く勧めている。警告の欄には、200℃〜350℃で使うこと、低いと不完全燃焼、高いと本体が破損するおそれがあることが書かれている。

環境省のガイドブックは、建物の煙突について、屋外の部分には二重管を使うよう勧め、その理由を、煙の温度を高く保てるのでススやタールが付きにくくなるから、と説明している。屋外で使う薪ストーブは、煙突の全体が外気にさらされる。ここは当てはめだが、低い温度でくすぶらせる燃やし方は、ススやタールを増やす側にあると考えておいたほうがよい。

掃除のしかた──冷えてから、先端まで

火が消えて、冷えてから

テンマクデザインの取扱説明書は、燃えている最中に持ち上げたり動かしたりしないこと、動かすときは完全に消火し、本体が冷えてから行うことを求めている。燃焼中に水をかけるのも禁止で、水蒸気や飛び散ったお湯でやけどをするおそれがあるとしている。煙突を外すのも、火が消えて冷えてからだ。

道具

建物用の LS-350 の取扱説明書は、煙突掃除の道具として、ワイヤーブラシ(取扱説明書の表記は「⌀150用」。LS-350 の煙突径に合わせたもの)、煙突掃除棒、防塵ゴーグル、防塵マスクなどを挙げている。キャンプの煙突は径が違うので、ブラシは自分の煙突の径に合うものを選ぶことになる。これは読み替えで、取扱説明書がそう書いているわけではない。

同じ取扱説明書は、掃除のときは灰やススが舞うおそれがあるとして、防塵用のマスクやメガネを着けるよう注意している。屋外でやる場合も、風下に人やテントがあると同じことが起きる。

煙突の先端も

LS-350 の取扱説明書は、煙突の中をきれいにしても、煙突トップにススが溜まっていれば排気がうまくいかないとして、煙突トップも外して別に掃除するよう書いている。キャンプの薪ストーブでは、煙突のいちばん上にスパークアレスター(火の粉止め)が付く製品がある。同じ位置にある部品なので一緒に見ておく、というのは当てはめだが、先端だけ詰まっていては中を掃除した意味が薄れる。

灰の始末──キャンプのほうが条件が悪くなる場所

煙突と並んで、資料が繰り返し書いているのが灰の扱いだ。

  • テンマクデザイン … 火が完全に消えているのを確かめてから始末する。取り出した灰は金属製のバケツなどに入れる
  • ホンマ製作所 APS-48DX … 完全に消えたのを確かめてから後始末する。取り出した灰は金属製のバケツなどに入れて、密閉して保管する
  • 軽井沢町消防課(住宅の薪ストーブ向け) … 段ボールやビニール袋には絶対に入れない。蓋のある燃えない材質の取灰入れに入れ、その取灰入れは燃えるものから離して、燃えない材質の床の上に置く
  • 高島市消防本部(同じく住宅向け) … 取灰には火種が残っていることがあり、熱が溜まって数時間たってから周りの燃えるものに火がつく場合がある

ここは当てはめになる。住宅なら「数時間後」は家の中だが、キャンプで撤収したあとの数時間は、たいてい車の中だ。隣には、テントやマット、寝袋といった燃えるものを積むことになりやすい。APS-48DX の取扱説明書が「密閉して保管」まで書いているのは、持ち運ぶ道具としては心強い指示だと読める。

灰をどこに捨てるかは、キャンプ場ごとにルールが決まっている。灰捨て場の有無と使い方は、現地の案内に従ってほしい。

使っている間に守ること

掃除の話からは外れるが、2つの取扱説明書には、使っている最中の決まりも並んでいる。煙突の手入れと同じくらい大事なので、主なものを挙げておく。

  • 離す … テンマクデザインはテントや燃えるものから、APS-48DX は壁や燃えるものから、それぞれ1.5m以上離すよう書いている
  • 風の強い日は使わない … どちらも強風の中での使用を禁じている。APS-48DX は、火の粉や灰が飛んだり、本体や煙突が倒れたりして火災が起きるおそれを理由に挙げている。テンマクデザインは、煙突を延ばすときや風の強いときは、スパークアレスターに張り綱を付けて固定するよう書いている
  • 下に燃えるものを敷かない … どちらも、水平で強固な場所に置き、下に燃えるものを敷かないよう求めている。芝生のサイトでは焚き火シートの「耐熱」と「断熱」が別物だという話も参考になる
  • 離れない・消火器を用意する … 使っている間はその場を離れないこと、万一に備えて消火器を用意することも、どちらの取扱説明書にもある

まとめ

  • 屋外で使う薪ストーブの取扱説明書(テンマクデザイン ウッドストーブ・ホンマ製作所 APS-48DX)は、ススやタールが不完全燃焼や煙道火災の原因になるとして、定期的な煙突掃除を求めている。回数は書いていない
  • 回数の目安が書かれているのは、建物の中に据える LS-350 の取扱説明書(年1回以上が必須・ススが3mm以上で掃除・頻度は使用状況等による)。キャンプ用の数字ではないので、参考にとどめる
  • 回数の決まりが無い以上、使ったら煙突の中と先端を見て、付いていたら落とす、というのがこのサイトの考え(資料に書いてあることではない)
  • 溜まったタールは煙道火災の原因になり、環境省のガイドブックによれば煙道の内側は1000℃を超えることもある
  • ススとタールを増やすのは、湿った薪、薪以外のもの、低い温度でくすぶらせる燃やし方
  • 灰は、火が完全に消えたのを確かめてから金属製のバケツなどへ。APS-48DX は密閉して保管するよう書いている。段ボールやビニール袋には入れない
  • 2つの取扱説明書は、どちらもテントの中での使用を禁じている。この記事の手入れは、テントの外で使う前提の話

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2018年11月1日

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