キャンプで鉈を使うのは、買った薪を細く割って焚き付けを作るときです。この記事では、刃渡りの目安を実際の製品の数字で表にし、両刃と片刃の違い、メーカーの取扱説明書にある使い方の注意、持ち運ぶときの法律、斧との選び分けまでまとめました。
キャンプ場の薪を焚き付け用に割るなら、刃渡り約110mmから約16.5cmくらいの鉈が扱いやすい大きさです(当サイトの目安)。細く削る作業が多いなら小さめ、太めの薪も割りたいなら大きめを。使うときは両手に革手袋と保護メガネ、使い方は必ずその鉈の取扱説明書に従います。
鉈の大きさは刃渡りで選ぶ(目安の表)

鉈の大きさは、刃の部分の長さ(刃渡り・刃長)で比べます。昔ながらの鉈は「6寸」のように寸で呼ぶこともあります。キャンプ向けに売られている鉈の刃渡りを、メーカーの仕様から並べると次のとおりです。
| 大きさ | 製品の例(メーカーの仕様) | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 小さめ | ユニフレーム TSURUBAMI ちび鉈:刃長 約7cm・重さ 約290g | 焚き付けを細く割る・削る。荷物を軽くしたいソロ |
| 中くらい | 馬場長金物 多喜火鉈110mm:刃渡 約110mm・鉈の重さ 約240g | ソロの小割り。片手で扱いやすい |
| 大きめ | ユニフレーム つるばみ鉈:刃長 約16.5cm・重さ 約500g | 太めの薪の小割り・枝払い |
| さらに大きい | 6寸などの腰鉈 | 山の枝打ちなど。キャンプでは重く感じやすい |
出典:ユニフレーム「TSURUBAMI ちび鉈 片刃二寸三分」/馬場長金物「BABACHO」製品ページ(多喜火鉈110mm)/ユニフレーム「つるばみ鉈」
小さすぎると太めの薪が割りにくく、大きすぎると重くて片手で振りにくくなります。キャンプ場で売っている薪を焚き付け用に割るのが主な使い道なら、表の「中くらい」から「大きめ」の間から選ぶと、細い薪も太めの薪もこなせます。これは当サイトの目安なので、手の大きさや力に合わせて、重さも一緒に見て決めてください。
両刃と片刃:薪割りに向くのはどちら?

鉈の刃には、断面がV字の「両刃」と、片側だけを研いだ「片刃」があります。どちらもキャンプの薪の小割りに使われていて、メーカーの説明も分かれます。
- ユニフレームのつるばみシリーズは、「叩き切る」「叩き割る」といった鉈の用途に合うとして、片刃の蛤刃(はまぐりば)を採っています(出典:ユニフレーム「つるばみ鉈」)
- 馬場長金物の多喜火鉈は両刃で、取扱説明書では左右どちらの利き手でも使えると説明しています(出典:馬場長金物「多喜火鉈 ステンレスナイフ型 取扱説明書」)
迷ったときは、左利きの方や、家族で1本を使い回すなら両刃が選びやすいです。片刃は利き手によって刃の向きが合う・合わないがあるので、買う前に自分の利き手で使えるか確かめましょう。
鉈の使い方:台の上で、取扱説明書の手順どおりに

使い方は、鉈によって決まりが違います。まず、その鉈の取扱説明書で「やってはいけないこと」を読んでから使ってください。
- ユニフレームのつるばみシリーズは、木に食い込んだときにひねらないこと、薪や竹の節に使わないこと、木に食い込んだ状態で地面などに叩きつけないことを挙げています。どれも刃が欠ける原因になるとしています(出典:ユニフレーム「つるばみ鉈」)
- 馬場長金物の多喜火鉈(ステンレスナイフ型)は、手袋を着けること、薪割りは必ず土台の上で行うこと、薪の中心に刃を置いて真上から叩くこと、金属のハンマーで叩かないことを挙げています(出典:馬場長金物「多喜火鉈 ステンレスナイフ型 取扱説明書」)
基本の流れは、次のとおりです。
- 両手に滑りにくい革手袋をはめ、木の破片から目を守る保護メガネを着ける
- 平らで安定した台(切り株など)の上に、細めの薪を立てる
- 薪の中心に刃を当てる。薪を支える手は、刃の通り道から離しておく
- 取扱説明書で認められている方法で、刃の背を木の棒などで真上から叩いて割る
- 節のある所は避け、刃が食い込んだらこじらずにまっすぐ抜く
割った薪をどう組んで火を育てるかは初心者向けの火起こしと薪の組み方、一晩でどれくらい割っておけばよいかはキャンプで一晩に要る薪の束数の目安で確かめられます。
使うときの注意と、使ったあとの手入れ

使う前に、まわりに人がいないことを必ず確かめます。軽く手に当たっただけでも、鉈の重さで深く切れてしまうことがあります。子どもが近くにいるときは、割る作業は大人だけで行いましょう。
使い終わったら、汚れを落として乾いた布で水気をふき取り、刃物油を塗っておくとさびにくくなります。馬場長金物の取扱説明書も、使用後は乾いた布で汚れを拭き、乾いたら鉈全体に刃物油を塗り、革ケースに入れて保管するよう書いています(出典:馬場長金物「多喜火鉈 ステンレスナイフ型 取扱説明書」)。切れ味が落ちたまま無理に割ると、変な力が入ってけがのもとになるので、刃先を研いでから使いましょう。
鉈を持ち運ぶときの決まり:鞘に入れ、家で保管

鉈を外に持ち出すときは、法律にも気を配ってください。警視庁の説明では、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)第22条により、仕事などの正当な理由がないのに、刃体の長さが6センチメートルをこえる刃物を持ち歩くことは禁じられています。条文が使っているのは「刃体の長さ」という言葉で、測り方は内閣府令(施行規則)で決められています。「刃渡り」や「全長」とは限らず、境目も「6cm以上」ではなく「6cmをこえる」です。
刃物にはもう一本、軽犯罪法第1条第2号も関わります。こちらには長さの条件がなく、正当な理由がないまま、刃物などを隠して携帯していれば対象になりうる作りです。警視庁は、刃物などを人目につきにくいようにして持ち歩いたり、車の中に隠して持っていたりする場合も、隠して携帯していることに当たりうると説明しています(出典:警視庁「刃物の話」)。
キャンプに持って行くときは、鞘に入れて荷物の中にしまいます。使い終わった鉈は車に積みっぱなしにせず、家の保管場所に戻しましょう。車に積んだままにすることと法律の関係は、キャンプ用ナイフを車に積むのは違反?銃刀法と軽犯罪法の条文・警察の説明で確認する持ち運びの基本にまとめています。判断に迷う事案は、警察や弁護士に相談してください。
鉈と斧、どちらを選ぶ?

鉈も斧も木を割る道具ですが、使い方が違います。斧は重さで振り下ろして太い薪を割る道具で、両手で使うものが中心です。鉈は軽く片手で扱え、細めの薪を割ったり、皮をはいだり、小枝を払ったりと細かい作業に向いています。
| 鉈 | 斧 | |
|---|---|---|
| 得意な薪 | 細めの薪・焚き付け作り | 太い丸太に近い薪 |
| 持ち方 | 片手で扱える | 両手で振るものが中心 |
| 重さ | 軽い | 重い(そのぶん割る力が強い) |
| 向いている人 | キャンプ場の薪を買って使う人 | 太い薪を自分で割る人・薪ストーブを使う人 |
キャンプ場やホームセンターで買う薪は、ある程度の太さに割ってあることが多いので、まず1本なら鉈からで困ることは少ないはずです。太い薪をたくさん割りたい方は、斧の選び方の記事も読んでみてください。
薪が足りなくなったとき、落ちている枝を拾って割ってよいかは、キャンプ場の決まりや、その森の持ち主、保安林かどうかで変わります。拾う前に落ちている枝を拾ってよいかを条文で確かめた記事で確かめてください。
キャンプにおすすめの鉈4選
上の表の大きさの順に並べました。重さと刃の形(両刃・片刃)は、それぞれのメーカーの仕様です。
ユニフレーム TSURUBAMI ちび鉈(刃長 約7cm・片刃)
越後の刃物の技術で手作りされた、小さな鉈です。焚き付けを細く割ったり削ったりする作業に向き、荷物を軽くしたいソロキャンプで持ち出しやすい大きさです。
馬場長金物 多喜火鉈110mm(刃渡 約110mm・両刃)
新潟県三条の鉈メーカーと作った、キャンプの薪割り用の小割り鉈です。刃からハンドルの奥まで一体のフルタングの作りで、両刃なので左右どちらの利き手でも使えます。
ユニフレーム つるばみ鉈(刃長 約16.5cm・片刃)
同じつるばみシリーズの大きめの鉈です。重さがあるぶん、太めの薪の小割りや枝払いもこなせます。
豊国 間伐腰鉈 6寸(片刃・白鋼)
山仕事のために作られた腰鉈です。キャンプで使うには大きく重めなので、薪を自分で集めて割る方や、林の手入れもする方向けです。
参考にした情報源
鉈の大きさ・重さはメーカーの仕様から、法律の話は条文と警察の説明から書いています。法令は変わることがあるので、判断が要るときは最新の条文と警察の案内を確かめてください。
- ユニフレーム「つるばみ鉈」/ユニフレーム「TSURUBAMI ちび鉈 片刃二寸三分」(刃長・重さ・使い方の注意)
- 馬場長金物「BABACHO」製品ページ/馬場長金物「多喜火鉈 ステンレスナイフ型 取扱説明書」(刃渡・使い方・手入れ)
- 警視庁「刃物の話」(銃刀法第22条と軽犯罪法の説明・車の中に隠して持つ場合)
- e-Gov法令検索「銃砲刀剣類所持等取締法」(第22条:刃体の長さと携帯の禁止)
- e-Gov法令検索「軽犯罪法」(第1条第2号:隠して携帯する器具)
※法律の部分は、条文と警察の説明を紹介したもので、法律の助言ではありません。自分の場合が当たるかどうか迷うときは、警察か弁護士に相談してください。




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