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焚き火の近くに張るテントの素材|火の粉で穴があく生地と、難燃・防炎・TCの表示の読み方

焚き火の近くに張るテントの素材|火の粉で穴があく生地と、難燃・防炎・TCの表示の読み方

焚き火のそばにテントやタープを張って、朝になったら小さな穴が並んでいた。次は燃えにくい生地にしたい。そう考えて「TC」「難燃」と書かれたテントを探し始めた人に向けて、この記事では商品ページの表示が何を約束していて、何を約束していないのかを、メーカーの取扱説明書と日本防炎協会の説明で確かめる。

先に一番大事なことを書いておく。素材の表示は「火の粉で穴があきにくいか」の話で、「テントの近くで焚き火をしてよいか」の答えではない。TC(コットンとポリエステルの混紡)のテントの取扱説明書にも、テントの近くで火気を使わないよう書かれている。

焚き火の起こし方や道具の全体は焚き火のやり方と火起こしのコツに、服の素材は焚き火の服装の記事に分けて書いている。この記事はテントの生地の話だ。各ページは2026年9月26日に確かめた。

先に結論:表示で見るのは「混率」「難燃・防炎の中身」「取説の火気の欄」

テントを買う前に、混率・難燃や防炎の表示・取扱説明書の火気の欄を見比べるゴリラの絵
  • ポリエステルやナイロンの生地は、火の粉で穴があく。スノーピークのポリエステルのシェルターの取扱説明書は、素材が難燃性ではないこと、焚火のそばで組み立てたり使ったりしないことを書いている
  • TCは「燃え広がりにくい」生地で、燃えない生地ではない。ogawa(キャンパルジャパン)はT/C生地を火の粉に強いと説明したうえで、燃えないわけではないと断っている
  • 「TC」の混率はメーカーで違う。ogawaの説明はポリエステル65%・コットン35%、沢田テントのMihoシリーズは綿75%・ポリエステル25%。同じTCでも表示の数字を見る
  • 「難燃」と「防炎」は別の言葉。日本防炎協会は、テント類も防炎製品の品目に挙げている。商品ページの「難燃処理」と、防炎製品のラベルが付いていることは、別々に確かめる
  • いちばん強い注意は取扱説明書にある。ogawaのTCテントの取扱説明書は、テントの中や近くで火気を使わないよう書いている。素材がTCでも、焚き火との距離は取らなければならない

火の粉で穴があく生地:ポリエステル・ナイロンのテント

ポリエステルのテント生地にあいた、火の粉の小さな穴をのぞき込むゴリラの絵

まず、ポリエステルやナイロンの生地から。コールマンの焚き火の特集は、服の選び方の話として、ナイロンやポリエステルなど化学繊維の素材は火の粉で穴があきやすいと説明している。同じ特集は、テントそのものについても、風にあおられた火の粉がテントに届けば穴になるおそれがある、と注意している。

テントそのものの取扱説明書も、同じ向きのことを書いている。スノーピークのランドネストシェルター(TP-259)の取扱説明書を読むと、本体の屋根の部分の材質は75Dポリエステルタフタで、「危険」の欄に、このシェルターの素材は難燃性ではないと明記されている。「警告」の欄には、焚火や花火のそばで組み立てたり使ったりしないこと、設営・撤収のときに周りに火気がないのを確かめること、火の粉を浴びると生地に穴があくことが並ぶ。

ここからは筆者の読み方です。ポリエステルのテントを持っている人が、次の焚き火で穴をあけないためにできるのは、生地を替えることより前に、焚き火の位置をテントから離すことだ。距離の目安は下の「距離」の節に書いた。

TC・コットンの表示で分かること:燃え広がりにくいが、燃えないわけではない

TCとポリエステルの布見本を比べて、燃え広がりにくさを考えるゴリラの絵

TC(T/C、ポリコットンとも呼ばれる)は、ポリエステルとコットンの混紡の生地だ。ogawaのよくある質問「T/C生地について」は、混率をポリエステル65%とコットン35%と書き、火の粉への強さと、火がついても燃え広がりにくい点を特徴に挙げている。そして同じページの注意の欄で、燃え広がりにくい生地でも燃えないわけではないので、火器を扱うときは十分に注意するよう断っている。

同じページには、火と別の注意も並んでいる。シームシール加工が無いため雨水が入ることがあること(一部製品を除く)、使ったあと十分に乾かさずにしまうとカビや生地の傷みが出ること。後で読むogawaのTCテントの取扱説明書も、T/C生地は水を吸いやすく乾きにくいので、使ったあとは完全に乾かしてからしまうよう書いている。手入れの話はテントの手入れ・カビ対策の記事にまとめている。

同じ「TC」でも、混率は同じとは限らない

ogawaの説明の65%・35%は、ogawaのT/C生地の話だ。ほかのメーカーのTCが同じ混率とは限らない。たとえば沢田テントの商品ページでは、Mihoシリーズの本体は「TC(綿75%、ポリエステル25%)」と書かれ、表面の撥水加工・特殊難燃処理・防カビ処理が並んでいる。同じ店のベージュの4〜6人用は綿100%の10オンスの帆布で、綿は火の粉が飛んでも燃えにくい、と説明されている。

ここからは筆者の読み方です。商品名に「TC」とあっても、中身の綿の割合はメーカーごとに違う。買う前に見るのは「TC」という2文字より、本体生地の欄にある混率の数字だ。

「難燃」「防炎」「不燃」は同じ意味ではない

商品ページに出てくる「難燃」「防炎」「燃えにくい」は、同じ言葉ではない。繊維の試験機関であるニッセンケン品質評価センターの解説によると、JIS L 0207では「難燃」を着火や延焼をしにくくする加工、「防炎」を炎が接したときに燃え広がるのを防ぐ加工として分けている。建築基準法には「不燃材料」「難燃材料」という別の物差しがあり、消防法は「防炎」の語を使う、というように、法律ごとに言葉の使い方も違う。

「防炎」の中身は、日本防炎協会の「防炎とは」が説明している。小さな火源が触れても炎が当たったところが焦げるだけで着火しにくく、火がついても自己消火性(自分で延焼の拡大を止める性能)によって燃え広がりにくい、という性能だ。燃えない、という意味ではない。

テントの「防炎製品ラベル」と、商品ページの「難燃処理」は別の表示

日本防炎協会の協会案内は、消防法で使用が義務づけられた「防炎物品」(カーテン、じゅうたん、工事用シートなど)と、それ以外の防炎品である「防炎製品」を分けている。防炎製品は、協会が置く防炎製品認定委員会が定めた基準に適合し、認定を受けたものだ。その品目には、寝具類や衣服類と並んでテント類・シート類・幕類が入っている。東京消防庁の「防炎製品」のページは、防炎製品には防炎製品ラベルを表示していると説明し、ラベルの様式の一部を載せている。

ここからは筆者の読み方です。商品ページに「難燃処理」「難燃加工」と書いてあることは、そのテントに防炎製品のラベルが付いていることと同じではない。どちらの表示なのかは、商品ページの文字と、届いた本体のタグの両方で確かめたい。ページから分からなければ、買う前に店に問い合わせるのが確実だ。

いちばん強い注意は、取扱説明書の「火気」の欄にある

取扱説明書の火気の注意どおり、テントの外でLEDランタンを持って待ってと示すゴリラの絵

素材の表示より先に読んでおきたいのが、取扱説明書の安全の欄だ。ogawaのTCテント「タッソ T/C」の取扱説明書は、安全上の注意の最初のほうで、テントの中やテントの近くでは絶対に火気を使わないよう書いている。理由として、テントの防水加工をした生地は熱に弱く燃えやすいこと、火気を使うとテントが燃えたりやけどの原因になったりすることを挙げ、テントの中の明かりには電池式のランタンや懐中電灯を使うよう求めている。

つまり、TCのテントを作っているメーカー自身が、TCだからテントの近くで火を使ってよい、とは書いていない。ogawaのよくある質問の「火の粉に強い」と、取扱説明書の「近くで火気を使わない」は、どちらも同じメーカーの言葉だ。前者は生地の性質、後者は使い方の決まりとして読む。

ここからは筆者の読み方です。買い替えを考えているテントがあるなら、商品ページの素材欄のほかに、取扱説明書の火気の欄を読める形で公開しているかを確かめたい。公開されていなければ、届いたあと最初に読むのはそこだ。

焚き火とテントの距離:最低でも2〜3m、風下にテントを置かない

焚き火とテントの距離を2〜3m以上あけ、テントを風上に置いて歩幅で測るゴリラの絵

コールマンの焚き火の特集「焚き火検定」は、テントと焚き火は最低でも2〜3mほど離すのが正解だとし、風向きに気をつけて火の粉がテントに当たらない場所で焚き火をするよう書いている。2〜3mは基本で、風の強さや向きによっては焚き火台を動かしてさらに離すこと、風があまりに強い日は山火事などにつながるおそれがあるので焚き火をやめる判断も大切だ、とも書いている。風上に焚き火、風下にテントという配置では、煙がテントのほうへ流れ、テントに火の粉が飛ぶことにも触れている。

ここからは筆者の読み方です。このサイトの焚き火のやり方と火起こしのコツでは、テントやタープから最低3m以上を目安にしている。コールマンの幅の遠いほうに合わせた数字だ。TCのテントでも同じ距離を取る。生地がTCでも、上で見たとおり取扱説明書の火気の注意は変わらないからだ。

もう穴があいてしまったら:小さな穴はリペアシートで

火の粉であいたテントの小さな穴に、リペアシートを貼って直すゴリラとジョージ君の絵

ogawa「タッソ T/C」の取扱説明書には、補修の方法も載っている。対象は、5〜6cmの小さな破れと、火の粉で生地が溶けてあいた細かな穴。シール加工をした生地でできた市販のリペアシートを、表と裏の両側に貼って直す、という方法だ。キャンプ場での応急処置としてガムテープなどを貼る方法も挙げているが、長く貼ったままにすると粘着が生地に残り、あとの修理が難しくなることがあると注意している。

この取扱説明書はTC生地のテントのものだが、「火の粉で溶けた」と書いているところからも、TCの生地にも火の粉で穴があくことが分かる。リペアシートの選び方や、生地のコーティングによって使えるシートが変わる話はタープが破れた時の補修方法に書いた。

買い替えるなら、商品ページで確かめる4つ

ここからは筆者の読み方です。ここまでの資料から、買い替えのときに商品ページで見ておきたいことを4つに絞った。

  1. 本体生地の混率:「TC」「ポリコットン」の2文字ではなく、綿とポリエステルの割合の数字を見る
  2. 難燃・防炎の表示の中身:「難燃処理」という説明なのか、防炎製品のラベルが付いているのかを分けて確かめる
  3. 取扱説明書の火気の欄:テントの近くで火を使うことについて、メーカーが何と書いているか
  4. 重さ:本体とポール・ペグを合わせた重さを見て、車に積んで運べるか、設営を何人でするかも合わせて考える

4つめの重さは、数字で見るとはっきりする。沢田テントの商品ページでは、綿100%のベージュの4〜6人用が本体約20kgと部品約14kg、TCのMihoシリーズ(紫)は本体・ポール・ペグ・ガイロープを合わせて約28kgと書かれている。

綿やTCのテントを比べるなら、沢田テントSHOPで素材の欄と重さの欄を並べて見てみてほしい。2026年9月26日に見た沢田テントの商品ページでは、どちらも本体生地の素材と加工が書かれていたが、中身は同じではない。ベージュは綿100%で、特殊撥水加工と防カビ加工。Mihoは綿75%・ポリエステル25%で、表面撥水加工・特殊難燃処理・防カビ処理。ベージュのページには「難燃」の文字はなく、燃えにくさは「綿だから」という説明だった。防炎製品のラベルの有無や、テントの近くでの火気の扱いは、商品ページから読み取れなかったので、気になる人は注文の前に店に確かめてほしい。

沢田テントSHOPで綿・TCのテントの素材と重さを見る

まとめ

  • ポリエステルのテントは火の粉で穴があく。スノーピークの取扱説明書は、素材が難燃性ではないこと、焚火のそばで組み立てたり使ったりしないことを書いている
  • TCは燃え広がりにくい生地で、燃えない生地ではない。ogawaのよくある質問がそう断っている
  • TCの混率はメーカーで違う(ogawaの説明は65%・35%、沢田テントのMihoは綿75%・ポリエステル25%)。表示の数字を見る
  • 「難燃」と「防炎」は別の言葉。テント類は日本防炎協会の防炎製品の品目に入っている。「難燃処理」とラベルの有無は分けて確かめる
  • TCのテントの取扱説明書にも、テントの中や近くで火気を使わないよう書かれている。焚き火はテントから最低でも2〜3m(このサイトの目安は3m以上)離し、風が強ければさらに離すかやめる。風下にテントを置かない
  • あいてしまった小さな穴は、リペアシートを表と裏から貼って補修できる

生地を替えれば焚き火の置き場所を気にしなくてよくなる、というわけではない。変わるのは、火の粉が当たったときに穴になりにくいかどうかだ。次のキャンプでは、まず焚き火台の位置をテントから一歩ずつ遠ざけるところから始めてみてほしい。

参考にした情報源

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