キャンプ場の電源サイトは何Wまで使える?上限の調べ方と、ブレーカーを落とさない足し算のやり方

キャンプ場の電源サイトの上限とワット数の考え方

※本ページはプロモーションが含まれています

「電源サイトを予約したから、電気毛布もホットカーペットも持っていこう」——そう思ってクルマに積み込む前に、ちょっと待ってくれ。

電源サイトには使える電力の上限がある。そして上限は、キャンプ場ごとに違う。ここを確かめずに家電を並べると、夜中にブレーカーが落ちて、真っ暗な中でクーラーボックスを探すハメになる。

この記事では、次の4つに答える。

  • 実際のキャンプ場は何Wと公表しているのか(3か所の公式ページを見てみた)
  • 手持ちの家電が収まるかを、どの数字で足し算すればいいのか(仕様表には紛らわしい数字が2つ並んでいる)
  • そもそもメーカーは、その家電を屋外で使うことを想定しているのか
  • 延長コードで起きている火災事故と、その避け方

数字はすべてメーカーの公表値・公的機関の資料・キャンプ場の公式ページから引いている。記事の最後に出典のリンクをまとめてあるから、自分の目でも確かめてくれ。

目次

結論:上限は施設ごとに違う。実際の3か所を見てくれ

ネットでは「電源サイトはだいたい1000Wまで」という説明をよく見かける。だが、実際のキャンプ場の公式ページを開いてみると、話が違う。

キャンプ場 公式ページの表記 Wに直すと
竜洋海洋公園オートキャンプ場(静岡県磐田市) 「15A1500W、コンセント2口」 1,500W
グリム冒険の森(滋賀県日野町) 「AC電源」→「最大1500W」 1,500W
しあわせの村 オートキャンプ場(神戸市北区) 「全サイト AC電源(20A)」 2,000W

(出典は記事末尾にまとめてある)

3か所とも、よく言われる「だいたい1000W」ではなかった。しかも書き方が3通りとも違う。AとWを両方書いている施設、Wだけの施設、そしてAしか書いていない施設だ。

つまり、覚えるべきは「1000W」という数字ではない。「自分が泊まるサイトの数字を、予約する前に確認する」という手順のほうだ。そしてA(アンペア)でしか書かれていない場合に備えて、換算できるようにしておくこと

「20A」と書いてあったら、まずWに直す

しあわせの村のように、A(アンペア)だけで書かれている施設は実在する。A(アンペア)とW(ワット)は、次の式でつながっている。

電力(W)= 電圧(V)× 電流(A)

出典:東京電力パワーグリッド「ボルト・アンペア・ワット」

日本の家庭用コンセントは100Vだから、電圧に100を当てはめればいい。

  • 10A × 100V = 1,000W
  • 15A × 100V = 1,500W
  • 20A × 100V = 2,000W

逆に、家電のW数を100で割ればおよそのA数になる。1,200Wのドライヤーなら12A、というわけだ。この換算さえできれば、あとは足し算の勝負になる。

足し算に使うのは「定格」。電気代の目安を足してはいけない

ここが、この記事でいちばん伝えたいところだ。

メーカーの仕様表には、似て非なる2つの数字が並んでいる。

  1. 定格(W)……その製品が全力で動いたときに使う電力。最大値。
  2. 1時間あたりの電気料金の目安(円)……決められた条件で使ったときの、平均的な消費をお金に直したもの。

ブレーカーが落ちるかどうかを決めるのは、①の定格のほうだ。ブレーカーは実際に流れる電流で動く。1時間の平均電気代で判断してくれる仕組みではない。

具体例を出そう。パナソニックの電気カーペット「かんたん床暖 DC-2V4」(2畳相当)の仕様には、こう書かれている。

  • 定格:700W
  • 1時間の標準電気料金(室温15℃・電力料金目安単価31円/kWh換算):高設定 約18.6円/中設定 約14.0円

(出典:パナソニック かんたん床暖 DC-2V4 詳細情報

ここで、電気料金のほうを実際に割ってみてほしい。18.6円 ÷ 31円/kWh = 0.6kWh。つまり高設定の1時間平均は約600Wだ。

定格700Wとの差は、たった14%しかない。「平均だから低いはず」という言い訳は通用しないということだ。この製品はサーミスタで温度を見ながら入り切りするが、それでも平均が定格に近い。

だから足し算に使う数字は、仕様表の「定格」。ここだけは間違えないでほしい。

ついでに言っておくと、この「定格」の呼び方はメーカーによってバラバラだ。パナソニックのカーペットは「定格」、電気毛布とドライヤーは「消費電力」、ティファールは「定格消費電力」。言葉が違うだけで、意味は同じ最大値だと思って読めばいい。

切り替え式の暖房は「強」で計算する

強・中・弱を切り替えられる暖房器具は、いちばん大きい数字で見ておくのが安全だ。パナソニックのセラミックファンヒーター「DS-FTX1200」の消費電力は、こうなっている。

  • 温風強:1,170/1,130W(50/60Hz)
  • 温風中:750/720W
  • 温風弱:530/500W

(出典:パナソニック セラミックファンヒーター DS-FTX1200 仕様・詳細情報

「弱で使うから500Wでいい」と考えたくなるが、寒くて思わず「強」を押した瞬間に1,170Wだ。ボタンひとつで640W増える。強で計算して収まらないなら、そもそも持っていかないほうが、現地で困らない。

主な家電の数字(メーカー公表値)

実際の製品の数字を並べてみる。すべて各メーカーが公表している仕様値で、出典は記事末尾にまとめてある。

製品(型番) 仕様表の数字
電気しき毛布(パナソニック DB-U12T) 消費電力 定格54W
電気カーペット 2畳相当(パナソニック かんたん床暖 DC-2V4) 定格 700W
セラミックファンヒーター(パナソニック DS-FTX1200・温風強) 消費電力 1,170/1,130W
ヘアードライヤー(パナソニック EH-NA0J) 消費電力 1,200W
電気ケトル 1.5L(ティファール パフォーマ) 定格消費電力 1,250W

この表を眺めると、数字が3つの層に分かれているのが分かるはずだ。

  • 数十W級……電気しき毛布(54W)。数枚つないでも、まず上限には届かない
  • 数百W級……電気カーペット(700W)、暖房の中・弱(500〜750W)。1台なら余裕だが、2台で上限に迫る
  • 1,000W超級……ドライヤー、電気ケトル、暖房の「強」。1台で枠をほぼ使い切る

電気しき毛布が54Wというのは、ちょっと驚く数字じゃないか。上限1,000Wのサイトなら、理屈のうえでは18枚ぶんだ。「電気で暖を取る」なら、体に近いところを温める道具のほうが、電力あたりの効きがいいということでもある。

ドライヤーと電気ケトルは、1台で枠を使い切る

1,000W超えの家電については、メーカー自身が明確な注意書きを出している。ドライヤー EH-NA0J の仕様ページには、こう書かれている。

ご使用の際は、定格15A以上のコンセントを単独でご使用ください(消費電力1000W以上の為)

出典:パナソニック ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0J 仕様・詳細情報

ポイントは「単独で」だ。ひとつのコンセント(回路)を、この1台で専有しろという意味になる。電気ケトルも同じで、ティファールの1.5Lモデルは定格100V・1,250Wだ。

つまり、上限1,000Wのサイトならこの2つはそもそも動かない。上限1,500Wのサイトでも、1台動かせば残りは250〜300W。数百W級の電気カーペットは、もう足せないということになる。

お湯が要るならバーナーとケトルで沸かす。髪は拭いて乾かす。電源サイトを取ったからといって、家と同じ使い方ができるわけではない、と割り切っておくほうがいい。

そもそもメーカーは、屋外で使うことを想定していない

ここは、電源サイトの記事ではあまり書かれないところだ。だが出典を最後まで読むと、避けて通れない。

ティファールの電気ケトルの取扱説明書「使用上のご注意」には、こう書いてある。

● 本製品は一般家庭用です

● 本製品は必ず屋内で使用してください

出典:ティファール「電気ケトル パフォーマ 1.5L 取扱説明書」(PDF)

ここまではっきり書いているのは、今回の出典ではティファールだけだ。ただ、パナソニックの4製品も、仕様ページに屋外での使用を認める記述はない(「屋外」「防雨」「防水」のいずれも出てこない)。キャンプ場のサイトで使うことは、どのメーカーも想定の外だと考えておいたほうがいい。

だからといって「電源サイトで家電を使うな」と言うつもりはない。実際に多くの人が使っている。ただ、次の2つは押さえておいてほしい。

  • 雨と結露が最大の敵。屋外の電源ボックスから引いてくる以上、テント内でも湿気は避けられない。使うなら、雨がかからず、水をこぼさない場所に置く
  • 何かあったときにメーカーの保証は期待できない。取扱説明書に書いてある使い方から外れているからだ

そのうえで、電気の暖房には燃焼式の暖房にない利点がある。そこは後半のよくある質問で触れる。

いちばん危ないのは、延長コードとコードリール

上限を守っていても、事故は起きる。しかもキャンプの電源サイトは、コンセントがサイトの端にあって、延長コードで引っ張ってくるのが普通だ。ここが弱点になる。

製品評価技術基盤機構(NITE)は2024年1月25日(令和6年1月25日)に、配線器具の火災事故について注意喚起を出している。

2019年から2023年の5年間に配線器具の火災事故は126件あり、2023年の件数は2019年の約2倍(…)

出典:NITE「無頓着は火事の元!~5年で2倍、配線器具の火災事故に注意!~」

この注意喚起では、コードリールの再現実験も紹介されている。条件はこうだ。

コードを引き出さずに最大消費電力を超えて使用し、コードリールが発火(再現実験)

出典:NITE「無頓着は火事の元!~5年で2倍、配線器具の火災事故に注意!~」

そして同じ資料は、「接続可能な最大消費電力を超えて使用したりすると、火災につながるおそれがあります」と明記している。

先ほどのティファールの取扱説明書にも、同じ趣旨の注意が2か所に書かれている(2つ目はケトル本体のコードについての注意だが、考え方は延長コードでも同じだ)。

● 延長コードも定格15Aのものを単独でお使いください。

● 電源コードを束ねた状態で使用しないでください。

出典:ティファール「電気ケトル パフォーマ 1.5L 取扱説明書」(PDF)

だから、こうする

  • コードリールは、コードを全部引き出してから使う。巻いたままだと熱が逃げず、製品によっては巻いた状態の許容電流が別に定められている。手元の製品の表示を必ず読むこと
  • 延長コード自体にも上限がある。「1500Wまで」といった表示がコードやパッケージに書かれている。サイトの上限とは別に、この数字も守る
  • 屋外での使用が可能と明記された製品を選ぶ。電源サイトのコンセントは屋外にあり、雨がかかる
  • タコ足にしない。分岐させるほど、どこにどれだけ流れているかが分からなくなる

「上限内だから大丈夫」ではなく、サイトの上限・延長コードの上限・コードリールの巻いた状態の上限、この3つが全部クリアできて初めて大丈夫だと考えてほしい。

予約する前に、上限を調べる3ステップ

順番はこれでいい。

ステップ1:キャンプ場の公式サイトを見る

「電源サイト」「AC電源」「施設案内」「利用案内」あたりのページに、W数かA数が書かれていることが多い。冒頭で挙げた3か所は、いずれも施設案内のページに書いてあった。予約サイトの設備欄よりも、公式サイトの案内のほうが詳しいことがよくある。

ステップ2:書いていなければ、電話で聞く

聞くことは3つだけだ。

  1. 1区画あたり何Wまで(または何Aまで)使えるか
  2. そのブレーカーは自分の区画専用か、他の区画と共用か
  3. コンセントはサイトのどのあたりにあるか(延長コードの長さを決めるため)

3つ目を聞いておくと、当日「コードが5m足りない」という間抜けな事態を避けられる。

ステップ3:持っていく家電の「定格」を足す

取扱説明書か、製品に貼られた銘板(型番や定格が書かれた小さなシール)を見て、定格を書き出す。合計が上限を超えないのはもちろんだが、ぴったり上限に張りつく組み合わせも避けたい

ここで大事なのは、切り替え式の家電を「いま使っている段」で数えないことだ。セラミックファンヒーターは、弱から強にするだけで640W増える(530W→1,170W)。「弱で使うから530W」と数えていると、寒くて強を押した瞬間に、640Wぶんの計算が丸ごと狂う。

だから足し算は必ず「強」で行う。弱で足した数字は、最初から当てにならない。

そのうえで合計が上限を下回っていれば通る。ぎりぎりなら、いちばん大きい1台を家に置いていくのがいちばん確実だ。

それでもブレーカーが落ちたら

やることは決まっている。

  1. まず、つないでいる家電のスイッチを全部切る。落ちた状態のまま復旧させると、また同じことが起きる
  2. 管理棟に連絡する。ブレーカーが管理者側にある場合、勝手に触ってはいけない。他の区画と共用なら、なおさらだ
  3. 復旧したら、1台ずつ入れ直す。何を足したときに落ちるかが分かる

夜間で管理棟が閉まっていることもある。ヘッドライトやランタンは、電源サイトでも必ず持っていくこと。電気に頼りきった装備で夜を迎えるのは、それ自体がリスクだ。

よくある質問

電源サイトがあれば、ポータブル電源は要らない?

役割が違う。電源サイトは上限のある「借り物の電気」で、ポータブル電源は上限が自分の手の内にある「持ち込みの電気」だ。電源サイトが取れなかったときの保険にもなる。選び方はポータブル電源のキャンプ用選び方完全ガイドでまとめている。

電気の暖房なら、一酸化炭素中毒の心配はない?

電気ヒーターや電気毛布は燃料を燃やさないので、一酸化炭素は発生しない。ここは電気暖房の大きな利点だ。ただし、石油ストーブやガスストーブをテント内で併用するなら話は別で、換気の考え方はキャンプの一酸化炭素中毒対策を読んでおいてほしい。

上限を超えたら、すぐ火事になる?

通常はブレーカーが落ちて電気が止まる。ブレーカーはそのためにある。危ないのは、ブレーカーの先にある延長コードやコードリールが、その電流に耐えられない場合だ。ブレーカーが落ちる手前の電流でも、細いコードや巻いたままのリールには過大なことがある。NITEの再現実験が示しているのは、まさにこの状況にあたる。だから「サイトの上限」だけでなく「コードの上限」も見る必要がある。

秋の電源サイトなら、防寒着は減らしていい?

減らさないほうがいい。ブレーカーが落ちれば暖房は止まるし、設営中と撤収中は暖房を使えない。9月の気温の目安と着るものは9月キャンプの服装にまとめてある。

まとめ

  • 上限は施設ごとに違う。実際の3か所の公表値は1,500W・1,500W・20A(=2,000W)で、どこも「だいたい1000W」ではなかった
  • 表記のしかたも違う。Aだけで書かれている施設があるので、W=V×A で換算できるようにしておく(100Vなら20A=2,000W)
  • 足し算に使うのは定格。「1時間あたり◯円」は平均値だが、割ってみると定格に近いこともある(DC-2V4は約600W対700W)
  • ドライヤー(1,200W)と電気ケトル(1,250W)は1台で枠を使い切る。メーカーも「単独で使え」と書いている
  • 電気しき毛布は54W。電気で暖を取るなら、体に近い道具のほうが効率がいい
  • メーカーは屋外での使用を想定していない。雨のかからない場所で使い、保証は期待しない
  • サイトの上限・延長コードの上限・コードリールの巻いた状態の上限。この3つが揃って初めて安全

電源サイトは、使い方さえ間違えなければ、秋冬のキャンプを一段階ラクにしてくれる。数字を先に確かめておけば、当日は焚き火の前でのんびりしていられる。いい夜にしてくれ。

参考にした情報源

知らなきゃ損するキャンプ道具をAmazonでお得に購入する方法

Amazonでキャンプ道具を購入している方ちょっと待って!

Amazonでお得にキャンプ道具を購入する方法があるんです♪

こちらの記事をご覧ください

↓ ↓ ↓

知らなきゃ損するキャンプ道具をAmazonでお得に購入する方法

2018年11月1日

みんなにも教えてあげる♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です