キャンプで使ったナイフを、車に積んだままにしていないだろうか。「トランクに入れておけば大丈夫」「刃渡り6cmまでならセーフ」——ネットにはそう書かれているが、条文と警察の説明を実際に当たると、どちらもそう言い切れる話ではない。
先に結論を3つ。①刃物の携帯には銃刀法と軽犯罪法という別々の法律が関わり、どちらか一方だけを見ても足りない ②銃刀法の基準は「刃渡り」ではなく「刃体の長さ」で、測り方が府令で決まっている ③「この積み方なら適法」という線を公的機関が示した資料は見つからなかった。
この記事は、法律の解釈をアドバイスするものではない。e-Gov法令検索で公開されている条文と、警察が公式サイトで説明している内容を、そのまま並べて確認するだけの記事だ。最後に出典のURLを全部載せてあるので、必ず自分でも原文を確かめてほしい。判断に迷う事案は、この記事ではなく警察や弁護士に相談してほしい。
目次
まず、混同されやすい2つの法律を分ける
キャンプナイフの話になると「銃刀法違反」という言葉だけが飛び交うが、実際に関わってくる法律は2つある。この2つは目的も、基準も、罰則もまったく別物だ。ここを混ぜて理解していると、話が最初からずれる。
① 銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)第22条
正式名称は「銃砲刀剣類所持等取締法」。その第22条は、見出しからして「刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止」となっている。条文はこうだ。
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。
ポイントを整理すると、「刃体の長さが6cmをこえる刃物」を「業務その他正当な理由」なく「携帯」してはならない、ということ。「6cm以上」ではなく「6cmをこえる」である点も、細かいようだが条文どおりに読んでおきたい。
そして重要なのは、この条文は「持っていること」自体を禁じていないことだ。禁じているのは「正当な理由のない携帯」であって、キャンプナイフを買うことも、家に置いておくことも、この条文は何も言っていない。
② 軽犯罪法 第1条第2号
もう一方が軽犯罪法だ。こちらの第1条は「左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する」と始まり、その第2号がこうなっている。
正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者
ここで見落としてはいけないのは、この条文には長さの要件が一切書かれていないということだ。「6cm以下なら軽犯罪法」という説明をよく見かけるが、条文上はそう切り分けられているわけではない。刃体が6cmを超えていようがいまいが、「正当な理由がなく」「隠して携帯」していれば、この条文の対象になりうるという構造になっている。
罰則は「懲役」から「拘禁刑」に変わっている
銃刀法第22条に違反した場合の罰則は、同法第31条の18第2項第2号に定められており、「二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金」となっている。軽犯罪法違反は「拘留又は科料」だ。
ここで注意したいのが、ネット上の解説記事の多くが、いまも「2年以下の懲役」と書いている点。2025年6月1日に施行された刑法改正で懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化されたため、現行の条文は「拘禁刑」になっている。この記事が末尾で出典に挙げている警察のページの中にも、まだ「2年以下の懲役」と書かれたままのものがある(確認した時点で、警視庁は「拘禁刑」に更新済み、群馬県警・千葉県警は「懲役」表記のまま)。リンク先を読んで食い違っていても混乱しないでほしい。いちばん確実なのは、e-Gov法令検索で現行条文に当たり直すことだ。
基準は「刃渡り」ではなく「刃体の長さ」
「刃渡り6cm」という表現が本当に広く出回っているが、第22条が使っている言葉は「刃体の長さ」であって「刃渡り」ではない。「刃渡り」は同法第2条第2項の刀剣類(刀・やり・なぎなた・剣など)の基準に使われている別の言葉で、第22条の基準ではない。
では「刃体の長さ」はどう測るのか。これは条文の中で「内閣府令で定めるところにより計つた」とされており、その府令が銃砲刀剣類所持等取締法施行規則の第101条だ。
法第二十二条の内閣府令で定める刃体の長さの測定の方法は、刃物の切先(略)と柄部における切先に最も近い点とを結ぶ直線の長さを計ることとする。
つまり、刃先から、柄の部分のうち切先にいちばん近い点までを、まっすぐ結んだ直線の長さ。刃のカーブに沿って測るのでもなければ、ナイフの全長でもない。
同条には例外的な測り方も、いくつか定められている。切出し・日本かみそり・握りばさみのように刃体と柄の区分がはっきりしない刃物は、両端を結ぶ直線から8cmを差し引く(第2項1号)。ねじがあるはさみは、切先とねじの中心を結ぶ直線を測る(同2号)。刃体の両端に柄が付いているなどで前記の方法によりがたい刃物は、刃先の両端を結ぶ直線を測る(第3項)。
そしてキャンパーが見落としやすいのが第4項だ。刃先の両端を結ぶ直線のほうが、第1項・第2項の方法で測った刃体の長さより長くなる刃物は、刃先の両端を結ぶ直線のほうを測ると定められている。ブレードのカーブが強い形状だと、測り方によって数字が変わりうるということだ。手元のナイフを測るなら、まずどの項に当てはまるかを確認するところからになる。
ちなみに、警視庁のページでは、ここでいう「刃物」を、人を殺傷する性能があり、鋼またはそれと同程度の硬さ・強さを持つ材質でできた片刃または両刃の器物で刀剣類以外のもの、と説明している。バトニングナイフや鉈、斧のように薪割りで使う道具は、当然この基準を超えるサイズのものが多い。
「6cmを超えてもよい刃物」は政令で細かく決まっている
第22条にはただし書があり、一定の刃物は規制の対象外になる。「折りたたみなら8cmまでOK」と紹介されるのがこの部分だ。ただしただし書は「政令で定める種類又は形状のもの」と条件を付けており、その中身は銃砲刀剣類所持等取締法施行令 第43条に書かれている。
一 刃体の先端部が著しく鋭く、かつ、刃が鋭利なはさみ以外のはさみ
二 折畳み式のナイフであつて、刃体の幅が一・五センチメートルを、刃体の厚みが〇・二五センチメートルをそれぞれ超えず、かつ、開刃した刃体をさやに固定させる装置を有しないもの
三 (略)刃体の長さが八センチメートル以下の果物ナイフであつて、刃体の厚みが〇・一五センチメートルを超えず、かつ、刃体の先端部が丸みを帯びているもの
四 (略)刃体の長さが七センチメートル以下の切出しであつて、刃体の幅が二センチメートルを、刃体の厚みが〇・二センチメートルをそれぞれ超えないもの
折りたたみナイフは「長さ」だけでは判断できない
第2号をよく読んでほしい。折りたたみ式ナイフについて、長さの条件(法22条ただし書の8cm以下)に加えて、①刃体の幅が1.5cmを超えない ②刃体の厚みが0.25cmを超えない ③開いた刃を固定する装置がない、という形状の条件が並んでいる。
ここが実務的にいちばん効いてくる。キャンプ用の折りたたみナイフは、開いた刃がぐらつかないようロックする機構を備えているものが多い。ロックは安全のための機能だが、条文の文言をそのまま読めば「開刃した刃体をさやに固定させる装置を有しないもの」には当たらないことになる。
これは条文の独自解釈ではない。静岡県警のページも、携帯が禁止される刃物の一覧で折りたたみ式ナイフについて「8cm以下であって、刃体の幅が1.5cmをこえず、刃体の厚みが0.25cmをこえず、刃体を固定させる装置を有していないものを除く」と、同じ整理を公表している。
誤解しないでほしいのは、これは「ロック付きの折りたたみナイフは違法」という意味ではないということだ。ただし書の対象外になる、つまり第22条の原則ルールに戻るだけ——刃体が6cmを超えるなら「業務その他正当な理由」が必要になる、という話である。持っていること自体が禁じられるわけではない。
車に積んでいる状態は「携帯」にあたるのか
ここが多くの人がいちばん知りたいところだと思う。そしていちばん、はっきりした答えを書けないところでもある。
銃刀法の「携帯」
まず銃刀法のほう。「携帯」について、静岡県警のページは「直ちに使用できるような状態で自己の実力支配下に置くこと」と説明している。警視庁のページはもう少し細かく、自宅又は居室以外の場所で、手に持ち、あるいは身体に帯びる等して直ちに使用し得る状態で身辺に置くことをいい、かつ、その状態が多少継続することとされている、と説明している。
この定義に照らすと、運転席のドアポケットやダッシュボード、助手席に置いた状態は「直ちに使用できる」に近い。シースに入れて工具箱の底やトランクの奥にしまってある状態は、そこから遠ざかる方向にある——銃刀法の「携帯」という物差しで見れば、そうなる。
ここで注意してほしいのは、遠ざかっているのはあくまで「直ちに使用できる状態」からであって、「隠したから」ではないということだ。銃刀法の「携帯」の説明に、隠す・隠さないという要素は出てこない。ところがもう一方の法律では、そこが要件になる。
ただし「隠す」は解決策にならない
ここで、冒頭で分けた2つ目の法律に戻ってほしい。軽犯罪法が禁じているのは「隠して携帯」だ。警視庁のページは、その「隠して携帯するとは」の説明で、車内を名指ししている。
自宅又は居室以外の場所で、手に持ったり、身体に帯びるなど直ちに使用できる状態で、人目につかないよう隠して身辺に置くことをいいます。(刃物等を人目に触れにくくして持ち歩いたり、車内に隠し持ったりすると、隠して携帯していることになる場合があります。)
読み方を整理しておく。軽犯罪法の「隠して携帯」は、銃刀法の「携帯」に「人目につかないよう隠して」を上乗せしたものだ。そのうえで警視庁は、車内に置いている状態も「隠して携帯」と評価されうると、わざわざ括弧書きで注意している。
ここから言えることは、はっきりしている。「隠すこと」自体が要件のひとつになっている以上、「人目につかないように隠したから安全」という理屈は、どちらの法律からも出てこない。「トランクの奥に隠しておけば大丈夫」という発想は、この一文と正面からぶつかる。
だから「積み方のテクニック」で解決しようとするのが、そもそも筋が悪い。2つの法律はどちらも「正当な理由があるかどうか」を軸にしていて、隠し方の巧拙を問題にしているわけではないからだ。
実際、調べた範囲では、公的機関が「この積み方なら適法」という具体的な線を示した資料は見つからなかった。「トランクなら大丈夫」と断言している記事は多いが、その根拠になる公式資料には行き当たっていない。この記事も「これなら大丈夫」とは書かない。実際にどう評価されるかは、刃物の種類、しまい方、そのとき何をしていたか、どこへ向かっていたかといった事情を総合して個別に判断される性質のものだからだ。
メーカー側の案内も同じ姿勢だ。キャプテンスタッグは自社FAQで、持ち運ぶ際は「携行する間の厳重な梱包、注意が必要」と書いたうえで、判断に迷う場合は最寄りの警察署に相談することを勧めている。
なお、道具の積み方そのものについてはキャンプ道具の車への積み方の記事でまとめている。ただし刃物については、「どう積むか」より「そもそも積んだままにしない」ほうが、考えることがずっと少なくて済む。
キャンプは「正当な理由」になるのか
第22条の「業務その他正当な理由」について、警察の公式ページはこう説明している。
- 業務……社会生活上の地位に基づいて、繰り返し刃物を使うことがその人にとって仕事である場合。警視庁は例として、調理師が仕事場へ包丁を持ち歩く場合を挙げている
- 正当な理由……社会通念上、その刃物を携帯することが当然に認められる場合。警視庁・群馬県警・鹿児島県警はいずれも、店で刃物を購入して自宅に持ち帰る場合を例に挙げている
- 護身用は正当な理由にあたらない……警視庁・静岡県警のいずれも明記している
では、キャンプはどうか。キャンプを名指しした記述は、鹿児島県警と群馬県警のページにある。両ページとも、刃物や木刀などを、たとえば農作業やキャンプなどの行事、素振りなど「正当な目的のために使用する予定がないのに携帯することはやめましょう」と呼びかけている(群馬県警は「注意点」という見出しの下、鹿児島県警は「軽犯罪法による規制」の項の末尾に置いている)。そして両ページとも続けて、ツールナイフ等も「アクセサリー感覚」等の安易な理由で携帯しないよう促している。警視庁も同様に、小さいからといってツールナイフや十徳ナイフをアクセサリー感覚で持ち歩くことも場合によっては取締りの対象になることがある、と書いている。
メーカー側では、キャプテンスタッグのFAQが「正当な理由と考えられる主な携行例」の筆頭に「キャンプや釣りで使用する為の携行」を挙げている(あわせて「正当な理由と考えられない主な携行例」として「護身用としての携行」を挙げている)。キャンプでの使用が正当な理由になりうる、という整理自体は、メーカーの公式FAQにも出ているわけだ。
ただし、この読み方は慎重にいきたい。県警の一文に書かれているのは「使用する予定がないのに携帯するな」であって、「キャンプの予定があれば常に適法」と保証したものではない。これらは注意喚起であり、個別の事案の適否を判断したものではない。メーカーFAQの表現も「考えられる」であって、保証ではない。
問題になりやすいのは「使い終わったあと」
この呼びかけを素直に受け取ると、いちばん危ういのは「キャンプから帰ってきたあと、そのまま積みっぱなしにしている状態」だとわかる。行きの車内には「これから使う」という具体的な目的があるが、帰宅して数日たった車内には、その目的がもう残っていない。
だから、難しい線引きを考えるより先にやるべきことは、たぶんひとつしかない。キャンプから帰ったら、ナイフや斧を家の保管場所に戻す。撤収して積み込んで、疲れて帰って、そのまま——というのがいちばんやりがちな流れなので、道具の片付けリストに「刃物を車から降ろす」を1行入れておくといい。子どもが車に乗る家庭なら、そもそも安全面でも車内に置きっぱなしにしない理由がある。
そもそも「所持」が禁止されている刃物もある
ここまでは「携帯」の話だが、持っていること自体が原則として禁止されているカテゴリも別にある。銃刀法第2条第2項が定める「刀剣類」で、第3条によって所持が原則禁止されている。定義はこうだ。
刃渡り十五センチメートル以上の刀、やり及びなぎなた、刃渡り五・五センチメートル以上の剣、あいくち並びに四十五度以上に自動的に開刃する装置を有する飛出しナイフ(略)
キャンパーが気にすべきなのは、後半の「剣」と「飛出しナイフ」だ。「剣」については、2009年(平成21年)1月5日施行の改正で規制対象が広がった経緯があり、佐賀県警のページでは、新たに所持が禁止されたものを「刃渡り5.5cm以上15cm未満の柄を付けて用いる左右均整の形状をした諸刃の鋼質性の刃物で先端部が著しく鋭いもの」(ダガーナイフ等)と説明している。
ポイントは「諸刃(両刃)」という要件だ。佐賀県警の説明は「左右均整の形状をした諸刃」としており、キャプテンスタッグのFAQも「剣等(両刃の刃物を指す)」と整理している。両刃で左右対称の鋭いナイフは、刃渡りが5.5cm以上あれば「携帯していなくても」所持そのものが問題になりうるということになる。
一方で、手元の刃物が「刀剣類」に当たるかどうかは、名称ではなく形状で判断される。片刃だから当然に対象外、と自分で決めてしまうのは避けたい。条文には「刀」の形状要件までは書かれておらず、この記事で「あなたのその鉈は大丈夫」と言い切れる材料はない。両刃のナイフや、刃渡りの大きい刃物を持っている人・買おうとしている人は、警察に確認してほしい。所持そのものの可否は、携帯以上に取り返しがつかない話になる。
判断に迷ったときの相談先
繰り返しになるが、この記事は「あなたのそのナイフが合法かどうか」を判断できない。条文と警察の公式説明を並べただけで、個別の事案にどう当てはまるかは書けないし、書くべきでもない。手元の道具や積み方について不安があるなら、次のところに聞くのが確実だ。
- 警察相談専用電話「#9110」……犯罪や事故は発生していないが警察に相談したいときの番号。警視庁の案内では、相談内容に応じて相談窓口を案内するとされている(通常の電話料金がかかる。緊急時は110番)
- 最寄りの警察署……警視庁の案内では、相談は最寄りの警察署でも直接受け付けているとされている。キャプテンスタッグのFAQも、最終的にはここへの相談を勧めている
- e-Gov法令検索……条文そのものを確認したいとき。この記事の引用も全部ここから取っている
よくある質問
Q. 刃体6cm以下のナイフなら、車に積みっぱなしでも問題ない?
銃刀法第22条は「刃体の長さが6cmをこえる刃物」を対象にしているので、6cm以下ならこの条文の対象外になる。ただし前述のとおり、軽犯罪法第1条第2号には長さの要件が書かれていない。「正当な理由がなくて」「隠して携帯」していれば対象になりうる構造なので、6cm以下だから何をしてもよい、という読み方は条文からは出てこない。
Q. 「刃渡り」で測ればいいの?
第22条の基準は「刃体の長さ」で、施行規則第101条が測り方を定めている。切先と、柄部のうち切先にいちばん近い点を結ぶ直線の長さだ。「刃渡り」は第2条第2項の刀剣類のほうで使われる言葉なので、混ぜずに使い分けたい。
Q. 十徳ナイフやマルチツールも対象になる?
第22条は道具の名称ではなく「刃体の長さが6cmをこえる刃物」かどうかで線を引いている。ブレードの刃体が6cmを超えるなら、名称にかかわらず条文の文言には当てはまる。折りたたみ式のただし書に乗るかどうかは、施行令第43条第2号の幅・厚み・ロック機構の条件次第になる。
なお6cm以下でも安心はできない。警視庁は、軽犯罪法でいう「凶器」にはさみやツールナイフ等も含まれるとしたうえで、「小さいからといってツールナイフやいわゆる十徳ナイフなどを、アクセサリー感覚で持ち歩くことも、場合によっては取締りの対象になることがあります」と書いている。鹿児島県警・群馬県警も同趣旨の呼びかけをしている。ここは自己判断せず、実測したうえで警察に確認するのが安全だ。
まとめ
この記事で確認したことを、もう一度整理しておく。
- 関わる法律は銃刀法第22条と軽犯罪法第1条第2号の2つ。長さで排他的に切り分けられるものではない
- 銃刀法の基準は「刃渡り」ではなく「刃体の長さ」6cm超。測り方は施行規則第101条
- 折りたたみ式の例外は長さだけでなく、幅1.5cm・厚み0.25cm・ロック機構なしという形状の条件が付いている(施行令第43条)
- 罰則は2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(2025年6月1日施行の刑法改正で「懲役」から変わった)
- 銃刀法の「携帯」は「直ちに使用できるような状態で自己の実力支配下に置くこと」と説明されている。ただし公的機関が「この積み方なら適法」と示した基準は見つからなかった
- 🔴 「奥に隠せば安全」は成り立たない。軽犯罪法が禁じているのは「隠して携帯」であり、隠すこと自体が要件のひとつ。警視庁は、車内に隠し持つと隠して携帯していることになる場合がある、とわざわざ書いている
- 鹿児島県警・群馬県警は「使用する予定がないのに携帯すること」をやめるよう呼びかけている。キャンプから帰ったら車から降ろすのが、いちばん確実な対応になる
- 両刃で左右対称の鋭いナイフは、携帯以前に「所持」が問題になりうる
法律の話は、正確に読もうとするほど「絶対に大丈夫」と言えなくなる。それは記事の書き手が及び腰なのではなく、もともと個別の事情を見て判断される仕組みだからだ。だからこそ、条文を自分の目で確かめて、それでも迷ったら#9110や所轄の警察署に聞く。遠回りに見えて、これが一番早い。
道具そのものの選び方については、バトニングナイフの選び方や焚き火のやり方もあわせてどうぞ。安全に、気持ちよくキャンプしよう。
参考にした情報源
この記事の記述は、以下の一次資料に基づいている。条文は引用時点でe-Gov法令検索に掲載されている現行条文を確認したものだが、法令は改正される。実際に判断が必要なときは、必ず最新の条文と警察の案内を自分で確認してほしい。
法令(e-Gov法令検索)
- 銃砲刀剣類所持等取締法(昭和33年法律第6号)(第2条第2項・第3条・第22条・第31条の18)
- 銃砲刀剣類所持等取締法施行令(昭和33年政令第33号)(第43条)
- 銃砲刀剣類所持等取締法施行規則(昭和33年総理府令第16号)(第101条)
- 軽犯罪法(昭和23年法律第39号)(第1条第2号)
警察の公式ページ
- 警視庁「刃物の話」(刃物の定義・「携帯」・業務・正当な理由・護身用・「隠して携帯」と車内・罰則)
- 鹿児島県警察「正当な理由なく刃物を携帯するのはやめましょう」(キャンプなどの行事についての呼びかけ)
- 静岡県警察「外に持ち出し携帯することが禁止される刃物」(「携帯」の説明・刃体の長さの基準・折りたたみ式ナイフの除外条件)
- 群馬県警察「刃物の携帯違反」(業務・正当な理由の具体例・キャンプなどの行事についての呼びかけ・アクセサリー感覚での携帯への注意)
- 千葉県警察「ナイフ等刃物の携帯規制」(規制対象の刃体の長さ)
- 佐賀県警察本部「銃刀法が改正されました!H20.12」(剣・ダガーナイフの所持禁止)
- 警視庁「警察相談ダイヤル#9110」
刑罰の名称の変更について
- 法務省「拘禁刑下の矯正処遇等について」(令和7年6月1日に懲役及び禁錮が廃止され、拘禁刑が創設されたこと)
メーカーの案内
- キャプテンスタッグ「ナイフ・マルチツール等所持・携行に関するご注意」(正当な理由と考えられる/考えられない携行例、厳重な梱包、警察署への相談のすすめ)
※ 本記事は、公表されている条文と警察の説明を紹介するものであり、法律上の助言ではありません。個別の事案について判断が必要な場合は、警察または弁護士にご相談ください。


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