キャンプ場の川が増水する前に|気象庁は上流域に警報の基準を置いていない

キャンプ場の川が増水する前に|気象庁は上流域に警報の基準を置いていない

※本ページはプロモーションが含まれています

川沿いのキャンプ場で雨が降り出したとき、「まだ大丈夫」の線をどこに引くか。気象庁の洪水キキクルの解説には、上流域のように建物も定住者もない場所には警報の判断基準を置いていない、と書かれている。上流側の川べりにいるなら、頭上で警報が鳴るのを待つ形は当てにできない、ということだ。この記事では、気象庁と国土交通省の資料だけを材料に、何をどう見るかを整理する。

目次

結論:警報を待つのではなく、色を見にいく

  • 建物がなく定住者もいない上流域には、警報の判断基準そのものが置かれていない。だが黄・赤・紫の色分けは表示される。気象庁は「このような場所で活動をする場合は」と名指しで、キキクルや雨雲の動きで最新の状況を確かめ、危険な場所から離れるよう書いている
  • 色の意味は、黄が注意(警戒レベル2相当)、赤が警戒(同3相当)、紫が危険(同4相当)、黒が災害切迫だ
  • 紫や赤は、上流から下流へ移動してくる傾向がある。だから自分のいる地点だけでなく、上流地点の色も見る
  • 洪水キキクルが対象にしているのは中小河川。山間部の中小河川は流域面積が狭く勾配も急なため、大雨で急激に増える特徴がある、と気象庁は説明している
  • 表示されるのは、過去30分間でいちばん高かった危険度。判定そのものには3時間先までの予測値が使われている

いちばん大事な1文:上流域に基準は置かれていない

気象庁の洪水キキクルの解説には、利用上の留意点としてこう書かれている。河川の上流域のように、建物がなく定住者もいないため家屋の浸水害が起きない場所には、大雨特別警報・危険警報・警報の判断基準を設定していない。だからレベル5大雨特別警報なども発表されない——と。

ここで話が終わるなら、上流は「情報が無い場所」になってしまう。だが続きがある。上流に降った大雨は時間をかけて下流に効いてくるので、上流で大雨になっている状況が分かるように、危険(紫)・警戒(赤)・注意(黄)については色分けして出している、というのだ。そして、そういう場所で活動する場合はキキクルや「雨雲の動き」で最新の状況を確かめ、危険な場所から離れることが大切だと続く。

川沿いのキャンプ場が、この「そういう場所」に当たることもある。自分の行き先がどうかは、地図と現地の様子で判断することになる。警報のアナウンスを待つ姿勢ではなく、自分から地図の色を見にいく姿勢が要ると、資料のほうが先に書いている、ということになる。

色は上流から下りてくる

同じページには、自分のいる場所に命の危険を及ぼしうる河川の危険度を確認してほしい、という案内がある。そのうえで、紫や赤といった高い危険度の表示は上流から下流へ移動してくる傾向があるため、上流地点の危険度もあわせて見るように、と書かれている。

キャンプ場で空を見上げて「こっちは小降りだ」と判断するのは、この構造とかみ合わない。見るべき雨は、いま自分に当たっている雨ではなく、上流に落ちた雨だ。晴れているのに水が増える、という現象が起きるのはこのためだと読める。

色と、とるべき行動の対応

気象庁の解説に沿って、色ごとの位置づけを並べる。

  • 注意(黄):避難行動の確認が必要とされる警戒レベル2に相当。ハザードマップなどで、想定されている区域・避難先・避難経路を確認する段階とされている
  • 警戒(赤):まもなく重大な洪水災害が起こりうる状況で、警戒レベル3に相当。高齢者等避難が出ていれば、高齢者等はすみやかに避難を始める。出ていなくても水位情報を見て、早めの避難を心がけるよう案内されている
  • 危険(紫):赤よりさらに可能性が高まった状態で、警戒レベル4に相当。避難指示が出ていればすみやかに避難。出ていなくても、水位が一定を超えていればすみやかに避難を始めることが重要だとされている
  • 災害切迫(黒):実況の流域雨量指数が、大雨特別警報の基準値まで届いたという意味だ。すでに重大な洪水災害が起きているか、目前に迫っている可能性が高い状態とされる

もうひとつ、読み落としたくない注意書きがある。堤防が壊れたり、河床が土砂で埋まったりして河川構造物が傷んだ地域では、黄が出た段階でも、赤やそれ以上が出たときと同じ対応をとるように、と書かれている。前の大雨のあとに行くキャンプ場では、ここが効いてくる。

キキクルが見ているのは、どの川か

洪水キキクルが対象にしているのは、水位周知河川とその他河川、つまり中小河川だ。判定に使うのは流域雨量指数の予測値で、3時間先ぶんまで見る。これによって、中小河川の特徴である急な増水を前もって確認できる、とされている。

その「特徴」についても説明がある。山間部などを流れる中小河川は、流域面積が狭いうえに勾配が急だ。だから流れが速くなりやすく、大雨のときは一気に増える——という内容だ。キャンプ場の脇を流れている川が、このタイプかどうか。出発前に地図で見ておきたいのはそこだ。

キキクル全体の解説ページによれば、長さが15km未満の中小河川で起きる洪水についても、流域雨量指数を使って判断するよう対象が広げられている。なお、流域雨量指数を計算している河川が約24,000河川にのぼることは、洪水キキクルの解説のほうに書かれている。名前も知らない細い川が、ちゃんと計算の対象に入っている、ということだ。

水位のほうから見るなら

大きな川が近い場合は、水位の情報も手がかりになる。国土交通省「川の防災情報」の解説によれば、河川の洪水予報には4種類があり、水位の段階と対応している。

  • 氾濫注意情報(警戒レベル2相当):氾濫注意水位=河川の氾濫の発生を注意する水位に届き、さらに上昇が見込まれるとき
  • 氾濫警戒情報(同3相当):避難判断水位=市町村からの高齢者等の避難の情報が出る目安となる水位に届き、さらに上昇が見込まれるとき、または予測で氾濫危険水位に達すると見込まれたとき
  • 氾濫危険情報(同4相当):氾濫危険水位=河川が氾濫する恐れのある水位、安全に避難するために避難を開始すべき水位に届いたとき
  • 氾濫発生情報(同5相当):氾濫が発生したとき。すでに災害が起きている状況を示す

ただしこの洪水予報が出るのは、あらかじめ指定された河川(洪水予報指定河川)だ。同ページの説明では、洪水予報指定河川は水位などの予測が技術的に可能な流域面積の大きい河川で、水位周知河川のほうは、流域面積が小さいために、洪水予報を出すだけの時間の余裕がない河川だとされている。行き先の川がどちらに当たるかで、手に入る情報の種類が変わる。洪水予報が出ない川なら、頼りになるのはキキクルの色と水位計のほうだ。

「いま」ではなく「過去30分の最大」

キキクルの表示についても、知っておくと読み方が変わる断りがある。防災対応の判断に役立てるため、危険度が頻繁に変わらないよう、過去30分間の最大の危険度を表示している、というものだ。

色が消えたからといって、その瞬間に安全になったわけではない。逆に、まだ色が残っていても実況はもう下がっていることがある。1回だけ見て判断せず、こまめに見て流れを追うほうが実態に合う。

もうひとつ、雨がやんだあとについての記述もある。湛水型の内水氾濫のうち、雨がまったく降っていない状態で起きるものまでは現時点では考慮されていない。だから表示が消えても、氾濫危険情報などが出ている場合は、周辺の支川や下水道の氾濫に引き続き警戒するように、と書かれている。「雨がやんだ」は撤収判断の材料として弱い、と読むのが素直だ。

出発前と現地でやること(一般論として)

ここから先は出典に書かれていることではなく、上の資料を踏まえた一般的な段取りとして書く。

  • 現地に着いたら、上流の地名を1つ覚える。キキクルで上流の色を見るとき、地名が分からないと探せない
  • スマホの電波が入らない場所なら、それ自体を条件として数える。情報を見にいけない場所では、早めに動くしかない
  • 撤収の判断は「色」と「時刻」の両方で決める。暗くなってからの撤収は、同じ状況でも難易度が上がる
  • 迷ったら、道具を置いて人だけ先に上がる。テントは買い直せる

雨よりも先に来るものへの備えはキャンプの雷対策に、川そのものとの付き合い方はキャンプの川遊びの安全対策にまとめてある。サイトを選ぶ段階の話はキャンプ場の選び方で扱っているので、この記事は「着いたあと、雨が降り出してからの判断」を担当する。

まとめ

上流域には警報の判断基準が置かれていない。その代わりに色は出る。だから川沿いのキャンプ場では、警報を待つのではなく、洪水キキクルの色を自分から見にいくことになる。紫や赤は上流から下りてくるので、自分の地点だけを見ても足りない。表示は過去30分間の最大で、判定には3時間先までの予測が使われている。そして雨がやんだことは、それだけでは安全の根拠にならない。気象庁が「このような場所で活動をする場合は」と書いているその場所に、私たちはテントを張っている。

参考にした情報源

知らなきゃ損するキャンプ道具をAmazonでお得に購入する方法

Amazonでキャンプ道具を購入している方ちょっと待って!

Amazonでお得にキャンプ道具を購入する方法があるんです♪

こちらの記事をご覧ください

↓ ↓ ↓

知らなきゃ損するキャンプ道具をAmazonでお得に購入する方法

2018年11月1日

みんなにも教えてあげる♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です