ポータブル電源が寒いと充電できない|0℃で止まるのは温度保護、ただし機種で数字が違う

ポータブル電源が寒いと充電できない|0℃で止まるのは温度保護、ただし機種で数字が違う

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冷え込んだ朝、ポータブル電源にケーブルを挿しても、入力のワット数が出ない。残量も増えない。壊れたと決めるのは、本体が温まってからでいい。メーカーは、寒いところでは安全装置が働いて充電が始まらないことがある、と書いている。

この記事では、Jackeryのサポートページと、EcoFlowの公式ブログ・取扱説明書を読んで、①止まっているのが温度のせいかどうかの見分け方 ②充電できる温度はいくつからか ③効いているのは外の気温か本体の温度か ④充電は始まったのにワット数が伸びない場合 を整理した。

運営者が氷点下で実験した記録ではない。メーカーの資料に書いてあることと、書き手の整理は分けて書く。

目次

まず、温度のせいかどうかを切り分ける

Jackeryのサポートページ「充電できない」は、ケーブルを正しく挿しているのに充電が始まらないときの原因として、長期保管による過放電と並べて、暑すぎたり寒すぎたりする場所で、安全のための温度保護が働いていることを挙げている。そのうえで、手元で確かめられる順に手順を示している。

  • 家庭用コンセント側と本体の入力ポートの両方で、ケーブルやアダプターが奥まで挿さっているかを見る。アダプターと本体のランプが点くかどうかも合わせて見る
  • 本体のディスプレイを見る。正常なら電源ランプが点き、入力のワット数が表示され、残量のパーセントが増えていく、としている
  • AC以外の充電方法を試して、原因を切り分ける。車のシガーソケットやソーラーパネルから充電できるなら、ACのケーブルやアダプター側が疑わしい。どの方法でも充電できないなら本体の不具合の可能性がある、という書き方だ

あわせて、充電には必ず製品に付属の純正ケーブルや、車載シガーソケット用のケーブルを使うよう書かれている。これはキャンプ場で家族の分をまとめて持ってきたときに紛れやすいところなので、先に確かめておきたい(ここは書き手の勧め)。

充電できる温度は、0℃からとは限らない

Jackeryの「動作・保管温度」のページは、使ってよい温度を充電・放電・保管に分けて示している。まず充電の側から。

  • 0℃を下回る場所では充電しないよう求めている。元に戻せない傷みが電池に出るから、というのが理由だ
  • 上限は電池の種類で分かれる。充電してよいのは、NCMリチウムなら40℃まで、リン酸鉄(LiFePO4)なら45℃まで
  • 使う側にも線引きがあって、NCMで40℃、リン酸鉄で45℃以上、または-10℃以下では使用しないよう書かれている
  • しまっておく温度は、3か月以内なら-20〜45℃。湿度は0〜60%RHで、結露させないこと

ここまでなら「0℃を下回ったら充電しない」で話は済む。ところが同じページに載っている人気モデルの一覧は、機種によって数字が違う。

  • 充電温度が0〜45℃と書かれているモデル(1000New・2000New・3000New・240Newなど)
  • 充電温度が-20〜45℃と書かれているモデル(1500New・500New)

動作温度のほうも、3000Newは-15〜45℃、1000Newや2000Newは-10〜45℃、1500Newと500Newは-20〜45℃と、機種ごとに幅がある。つまり「ポータブル電源は0℃を下回ると充電できない」と一本にまとめると、手元の機種の数字とずれることがある。冬に使う予定があるなら、買う前でも買ったあとでも、自分の型番の欄を見ておくのがいちばん早い。

🔴 それでも、共通の案内として0℃を下回る場所では充電しないよう書かれていること自体は動かない。機種の表に-20℃と書いてあるからといって、どの機種でも氷点下で充電してよい、という読み方はできない。迷ったら、型番ごとの取扱説明書とメーカーの問い合わせ先が正になる。

効いているのは、外の気温ではなく本体の温度

ここは、寒い朝の判断が分かれるところだ。EcoFlowの「LFPバッテリー ユーザーマニュアル」には、動作温度の項目に注記があり、充電も出力も、外の気温ではなく、電池そのものが何度になっているかで決まると書かれている。

この取説は、5kWhと2kWhの据置型リン酸鉄バッテリーのもので、キャンプに持っていくポータブル電源そのものの説明書ではない。そこは混ぜずに読んでほしい。ただ、温度をどこで測っているかという考え方は、寒い朝の判断に効く。日が差して気温が0℃を上回っても、前の晩から外に出しっぱなしだった本体の中身は、まだ冷え切っている。

Jackeryの自社ブログ「氷点下でポータブル電源を使用できる?」(サポートの文書ではなく、自社製品の紹介も載るページだ)は、動作温度と充電温度の食い違いを正面から書いている。この2つは別に決められているため、動かせるけれど充電はできない、という温度が存在するという説明だ。使う場所の温度が充電温度より低ければ、残量を使い切ったあとは暖かい場所へ移して充電する必要がある、としている。

🔴 ただし同じページは、一気に暖かい部屋へ移すことは勧めていない。まわりが急に暖かくなると、本体の中で露がつくことがある、というのが理由だ。外との差が小さい場所にいったん置いて、変化をゆるやかにするとよい、という書き方をしている。冷えた本体をそのままストーブの前に持っていきたくなるが、そこは一段 挟んだほうがいい。

夜のあいだ どこに置くかについても、同じページに記述がある。屋外に放置せず、必ず暖かい場所で保管すること、氷点下での長時間の放置は故障の原因にもなること、とくに-10℃を下回る環境では注意が要ること。テント内に置くか、-10℃以上であれば車内での保管でも問題ない、としている。なお、これは一晩どこに置くかという話だ。長く使わないときの保管については、サポートの側が別に、高温多湿と直射日光を避けて0〜40℃の風通しのよい屋内で、としている。

🔴 ただし、寒いからといって包んだり囲んだりするのは、同じページが止めている。冷えないようにバッグに入れて使う、という方法は避けてほしい、という書き方だ。通風孔がふさがると不具合のもとになるうえ、本体の温度が上がって事故につながりかねない、という理由が添えてある。取扱説明書から引く形で、通風孔は安全上 絶対にふさがないこと、各面から5cm以上あけることも書かれている。

ここは、使っている最中の話と、しまっておく間の話を分けて読みたい。同じページは、保管については保温バッグや断熱シートを使う手もあると書いている。使用中は包まない、しまっておく間は保温の工夫をしてもよい、という切り分けだ。

なお、同じEcoFlowの取説には自己発熱(充電発熱)の仕組みも書かれている。周囲の温度が0℃以下で充電するときに働くもので、作動には250W以上の充電入力が必要、バッテリーの温度が5℃を超えると充電を始められ、10℃を超えると発熱は止まって充電が続く、-20℃〜0℃の範囲で動く、という内容だ。バッテリーの温度が-20℃以下では充電も放電も発熱もできない、とも書かれている。繰り返すが、これは据置型バッテリーの取説の記述で、手元のポータブル電源に同じ機能が付いているとは限らない。

充電は始まったのに、ワット数が伸びない日

「充電はしているが、いつもより入力のワット数が低い」というときのために、Jackeryは別のページ「充電電力が低い」を用意している。順に挙げているのは次の内容だ。

  • 純正のケーブル・アダプターかどうか。純正品以外では、安全な充電に必要な性能を満たさず、充電できない・入力ワット数が低い原因になるとしている。型番の違う製品どうしでの使い回しも避けるよう書かれている
  • 残量。目安として80%以上あるときは、過充電を防ぐ機能が働いて入力のワット数が小さくなることがある。仕様であって不具合ではない、という説明だ。入力のワット数を確かめたいなら、残量が少ない状態(約20%など)で試すよう案内している
  • アプリの設定。一部のモデルは専用アプリで充電速度を変えられる。静音充電モードなどにしていると通常より遅くなる
  • 周囲の温度。寒い場所では、電池を守る側が働いて、入ってくる電力がひとりでに絞られる場合があるとして、製品が勧める温度の範囲(室温など)で充電するよう案内している
  • ここまでで直らないときは、新しいアダプターや充電ケーブルに替えて試す。替えても改善しないなら、カスタマーサービスへ問い合わせるよう案内している

「寒いと遅い」は、故障ではなく保護が働いている可能性がある、という整理だ。キャンプ場で朝いちばんに満充電まで戻そうとしても、思ったほど進まないことがある。前の晩のうちに充電しておくほうが読みやすい(ここは書き手の勧め)。

寒さの逆側 ── 暑さと湿気も、同じ表の裏にある

EcoFlowは2023年に「【注意喚起】ポータブル電源の正しいご使用方法について」を出していて、使用・保管の温度範囲は20℃〜30℃を推奨する、と書いている。湿度のほうは80%以下を推奨、80%以上での使用・保管は不具合や故障につながりやすいとしている。

夏場は直射日光で本体の温度が異常に上がることがあり、発火の危険があるので直射日光の当たらない場所で使い、保管するよう案内している。極端に温度が低い場合については、製品の性能が大幅に低下し、正常に動作しないことがある、という書き方だ。

湿気のほうは、Jackeryの側も結露に触れている。急な温度変化で結露が起きると、内部の電子回路がショートして故障につながるおそれがある、としている。さきほどの「一気に暖かい部屋へ移さない」は、この結露と同じところを指している。

しまい方そのものは「ポータブル電源の保管方法!満充電で劣化する?残量60〜80%は各社一致、3ヶ月ごとの手入れは食い違う」に別途まとめてある。あちらは家に置いておく間の話、この記事は現地で動かないときの話として書き分けた。

これから選ぶなら、冬の欄を先に見る

ここまでで分かるとおり、冬に使うかどうかで見るべき数字が変わる。容量や出力の前に、充電温度と動作温度の欄を見ておきたい。選び方そのものは「ポータブル電源のキャンプ用選び方完全ガイド!容量の目安とおすすめの決め方7つのポイント」に書いた。

電源サイトを使う予定なら、サイト側の上限も先に確かめておくと安心だ。そちらは「キャンプ場の電源サイトは何Wまで使える?上限の調べ方と、ブレーカーを落とさない足し算のやり方」にまとめてある。

まとめ

  • 充電が始まらないとき、Jackeryは温度保護が働いている可能性を挙げている。まず挿し直し、ディスプレイ、別の充電方法の順で切り分ける
  • 充電温度は、Jackeryの共通の案内では0℃未満で充電しないこと。ただし機種の一覧では-20℃からと書かれたモデルもある。手元の型番の欄を見る
  • 動作温度と充電温度は別。Jackeryは、動かせるが充電はできない温度が存在すると書いている。暖かい場所へ移すときも、一気に暖かい部屋へは移さない
  • EcoFlowの据置型バッテリーの取説には、充電も出力も外の気温ではなく電池そのものの温度で決まるとある。手元のポータブル電源の取説ではないが、考え方は寒い朝に効く
  • 🔴 寒くても、使っている最中に包んだり囲んだりしない。通風孔をふさがず、各面から5cm以上あける(Jackery)
  • 入力のワット数が低いときは、純正品か、残量が80%以上ないか、アプリの設定、周囲の温度の順に見る
  • 暑さと湿気も同じ表の裏側。EcoFlowは20℃〜30℃・湿度80%以下を推奨し、直射日光を避けるよう書いている

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2018年11月1日

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