ダッチオーブンのひび割れ|くもの巣状の細かい線と、本体が割れるのは別の話

ダッチオーブンのひび割れ|くもの巣状の細かい線と、本体が割れるのは別の話

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ダッチオーブンの底に、細い線のようなひびを見つけた。捨てるべきか、まだ使えるのか。先に確かめたいのは、そのひびが鍋の地金のものか、表面のガラス質のものかだ。ロッジは、この2つを分けて書いている。

この記事では、ロッジのよくあるご質問、ロゴスとユニフレームの取扱説明書、キャプテンスタッグのお手入れ記事を読んで、①ひびが入ったときの答えが、ホーローの鍋と鋳鉄の鍋で違うこと ②くもの巣のような細かいひびの正体 ③割れの引き金になるもの ④鋳鉄と鉄板で結果が違うこと ⑤洗うときの湯の温度 を整理した。

運営者が自分のダッチオーブンを割ってみた記録ではない。メーカーの資料に書いてあることと、書き手の整理は分けて書く。

目次

🔴 先に:ひびが入ったときの答えは、鍋の種類で違う

順番を逆にしない。ロッジの「よくあるご質問」は、この問いに製品の種類ごとに別々の答えを置いている。手元の鍋がどちらかで読み分けてほしい。

  • 鋳物ホーローの鍋(表面にガラス質を張ったもの) 落としてひびが入ったという質問への答えとして、鋳物の部分までひびが届いている場合は、そのまま使うと鍋が破損してけがをする可能性があるので、絶対に使用しないでくださいとしている
  • 鋳鉄の鍋(地金がそのまま出ているもの) ひびや欠けが出た場合について、鋳物なので、一度 破損やひびが入ってしまった場合は修復できませんとしている。使うなという言い方はしていないが、直せるものではない、ということだ

だから、これから書く「使い続けられるひび」は、表面のホーローだけで止まっているものに限った話だ。ホーローの鍋なら、表面だけなのか鋳物まで届いているのかを明るいところで確かめてから先を読んでほしい。落としたおぼえがあるなら、なおさらだ。地金がむき出しの鋳鉄の鍋なら、見えているひびはそのまま地金のひびになる。

くもの巣のような細かいひびは、鍋が割れたのではない

ロッジの「よくあるご質問」には、鍋底にくもの巣のような細かいひび割れが出た、という質問がそのまま載っている。答えはこうだ。

  • 細かいひび割れはマイクロクラックと呼ばれるもので、鋳物とホーローの膨張率が違うために起きる
  • 火加減が強い、焦げ付かせた、空焚きした、急な温度変化があった、といった場合に生じることがある
  • 引き続き使えるが、ホーローが剥がれる原因になるので、火力と焦げ付きには注意してほしい、としている

つまり、これはホーロー(表面のガラス質)を張った製品の話で、見えているのは表面の層に入った線だ。すぐに捨てる話ではない代わりに、剥がれの入口にはなっている、というのがロッジの言い方だ。

ホーローそのものについても、ロッジは同じページで、ガラス質でできているため、無理な力、急な温度差、落下、物をぶつけることで剥がれたり欠けたりする、と書いている。表面を削る硬い洗浄用具や金属のツールも、負担をかける側に挙げている。

本体が割れるほうの引き金は、温度の急な差

地金のほうが割れる話で、温度差という言い方をしているのはロッジとキャプテンスタッグだ。ロッジは、調理中や直後は高温なので冷ましてから洗うように書き、急な温度差でひびが入ったり、割れる場合があるとしている。

ロゴスの「ダッチオーブン&スキレット 取扱い説明書」は、もっと強い書き方だ。禁止の欄に、熱を持っている本体に水をかけて強制的に冷やすことは絶対にやめるようにと書いてある。注意の欄には、割れやすいので取り扱いに気をつけること、空焚きや強火での調理をしないこと、とも並んでいる。

キャプテンスタッグの「ダッチオーブンのメンテナンス」も、高温の状態での水は厳禁で、温度差で割れることがある、と書いている。重くて頑丈に見えて脆い面もある、という言い方だ。

🔴 ここは4社の向きがそろう場所だ。熱いうちに水をかけない。ロゴス・キャプテンスタッグ・ユニフレームは水を名指しで止めていて、ロッジは「冷ましてから洗う」という書き方をしている。焚き火のそばで早く片付けたい気持ちが出るのは夜の撤収前だが、ここだけは急がないほうがいい(ここは書き手の勧め)。

鋳鉄と鉄板では、同じことをしても結果の書かれ方が違う

おもしろいのは、素材が変わると、メーカーが書く「起きること」も変わるところだ。ユニフレームの「ダッチオーブンシリーズ 取扱説明書」は、本体の材質を黒皮鉄板4.5mm加工と書いている。鋳物ではなく鉄の板だ。

その注意書きには、熱した直後に水をかけないように、という項目が2つ並んでいる。理由はそれぞれ違っていて、ひとつは蒸気による火傷の危険、もうひとつは本体が変形する場合があるというものだ。

ロッジとキャプテンスタッグが「割れる」と書いているところで、鉄板の側は「変形する」と書いている。ちなみにロゴスは、水の場面では「変形やヒビが入ります」で、割れやすいという注意はそれとは別の欄にある。どちらも熱いうちの水を止めている点では同じだが、起きることの説明までは同じではない。手元の鍋がどちらなのかは、買ったときの箱か、メーカーの製品ページで材質の欄を見れば分かる。

🔴 ここは、ネットで見かける「ダッチオーブンは割れる」というひとまとめの説明が、ずれるところでもある。自分の鍋の取扱説明書に書いてあることが、いちばん確かだ。

洗うときは湯。しかも、一気には入れない

洗い方の側にも、同じ理屈が出てくる。キャプテンスタッグは、残った汚れをキッチンペーパーなどで取ったあと、熱湯を注いで沸騰させる手順を書いていて、冷たい水は割れる原因になるので必ず熱湯を注ぐようにとしている。ロッジも、鋳鉄の側の案内として、本体を冷ましてから湯で洗うよう書いている。焦げ付きが気になるときは湯を沸かして汚れを浮かせる、という書き方だ。🔴 ただし洗剤については、同じページの中で鋳鉄とホーローで逆のことが書かれている。鋳鉄の側は洗剤を使わないとしているが、ホーローの側は、汚れが落ちやすいのがホーローの特性だとして、中性洗剤を含ませたスポンジでの手洗いを勧めている。手元の鍋がどちらかで読み分けてほしい。

もうひとつ、ロゴスの「ダッチオーブン&スキレット 取扱い説明書」にある注意は、覚えておく価値がある。シーズニングの途中で湯を注ぐ場面についてのもので、絶対に一気に入れないこととしている。急に水蒸気が出て危ないうえ、本体に変形やひびが入る、というのが理由だ。最初はスプーン1杯ほどにとどめ、少しずつ増やしていく。半分ほど入って手をつけられる温度(42℃ほど)になってから洗う、という流れが書かれている。

湯なら安全、という話ではなく、温度の差をどれだけ小さくできるかという話だと読むほうが近い(ここは書き手の読み方)。

空焚きと強火は、割れとは別の顔をした同じ問題

温度差の話が水だけでないことは、ロッジ・ロゴス・ユニフレームの3社が書いている。ロッジの「よくあるご質問」は、食材が入っていない鍋は入っているときに比べて急に温度が上がるとして、空焚きは絶対にしないようにと書いている。ホーロー面が壊れて怪我をする恐れがある、という理由だ。IHで使う場合についても、熱量が大きくなりやすいので中火は800W以下を守るよう案内している。

ロゴスの取説も、火力は強火厳禁で、弱火と中火だけで調理するよう書いている。家庭のコンロでの目安まで添えてあって、中火は炎が鍋底の中央付近にだけ当たっている状態、強火は炎が底全体に当たっている状態、としている。

ユニフレームのほうは、薪ストーブや窯の中のような高温になる使い方はやめるよう書いている。器具が損傷する、という理由だ。

整理すると、割れ・ひび・変形・ホーローの剥がれは、入口が違うだけで「急に熱くする」「急に冷やす」という同じ扱いから出てくる。使い方そのものは「ダッチオーブンの使い方完全ガイド!初心者向け慣らし方・調理・お手入れまで徹底解説」にまとめてあるので、そちらと合わせて読んでほしい。あちらは使い始めから調理までの流れ、この記事は壊れ方の側から見た注意として書き分けた。

錆びと迷ったときは

ひびに見えたものが、実は錆びの筋だったということもある。鉄の道具の錆びの落とし方は「スキレットのシーズニングと錆びの落とし方!メーカー公式に学ぶ正しい手入れ3ステップ」に書いた。ロゴスの取説は、錆びた本体は使わず、軽い錆びならシーズニングをやり直して完全に取り除いてから使うように、としている。

鍋そのものを買い替えるかどうかで迷っているなら、素材ごとの違いは「クッカーの選び方完全ガイド!素材・形状別おすすめと失敗しない組み合わせ」も参考になる。

まとめ

  • 🔴 ホーローの鍋で鋳物の部分まで届いたひびは、ロッジが「絶対に使用しないでください」としている。鋳鉄の鍋については、ひびや欠けは修復できない、としている
  • くもの巣のような細かいひびは、ロッジによればマイクロクラックで、鋳物とホーローの膨張率の違いから起きる。使い続けられるが、ホーロー剥がれの入口になる
  • 本体が割れる側の引き金として、ロッジとキャプテンスタッグが急な温度差を挙げている。ロゴスは温度差という語は使わず、熱いうちの強制冷却を禁止の欄に置いている
  • ロゴスは、熱い本体に水をかけて冷やすことを禁止の欄に書いている
  • ユニフレームの黒皮鉄板の鍋では、熱した直後の水について「変形する場合がある」と書かれている。素材で説明が変わる
  • 洗うときは湯。ロゴスは、湯であっても一気に入れず、少しずつ注ぐよう書いている
  • 空焚きと強火も同じ問題の別の顔。ロッジは空焚きを禁じ、ロゴスは弱火と中火だけで調理するよう書いている

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2018年11月1日

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